クイズです!このバスはどっちに進んでる?~保育士の為の雑学講座~

◇:有名な幼稚園受験の問題です。バスはどっちに進んでいますか?

有名な受験の問題をクイズと言ってしまうのは(笑)図を見た保育士の先生も「あ!!この問題知っている!!」と思った方も多いでしょう。幼稚園受験で使われた問題になるのですが、さあこのバスはどっちに進んでいるでしょう?といったクイズだと思えば、園児たちにも明日伝える事が出来ませんか?

実はこの有名なバス問題(クイズ)になるのですが、実は誰に向けてクイズを出すかで答えが変わってしまったのです!!もしもこのクイズの答えを知っている保育士様なら「えっ」そんな事はないでしょ???だって正解は「●●ですよね?」とわかるはずです。

がしかし(笑)実はそうとも言い切れないという事が頻発していたのです。つまり問題というのは出す側もクイズとしての前提条件をしっかりと定義しないと、実は園児たちが間違った答えを出すクイズになってしまって、結果的には「あれ?このクイズって一体・・・」と意味をなさないものになってしまったりするのです。

本日のテーマはまさにココで、有名なバス問題(クイズ)を例にしながら、多様性と考える力の育て方をお話ししていきましょう!!それでは講義のスタートです♪このバス問題(クイズ)の答えはこの後にお伝えするので、「ちょっと考えたい!!」って保育士は一旦ここでストップしましょう☆彡答えは出ましたか?それでは続きを読んでくださいませ♪

 

◇:まずは正攻法の考え方でバスがどちらに進んでいるかを考えてみましょう!!

問題はシンプルです。「バスが進んでいる方向を教えて下さい。」という問題です。園児たちはこのバスをみて「ハッ」っと気が付くかもしれませんね。保育士の先生たちはいかがですか?このバスは側面からみたイラストになります。

タイヤの位置もガラスの位置も前後全く同じところにあります。「うーん…なおさらどっちに進んでいるかわからなくないですか?」と思いますよね?それでは1つクイズのヒントをプレゼント!今見えている側面の、反対側の側面はどうなっていると思いますか?

「あっ!!わかりました!!」とスッキリした保育士の先生たちも多いでしょう。そうです、このバス側面のイラストには、昇降口/出入口がありません。もし保育園や幼稚園で送迎バスがあれば思い出してください。それでは反対側のバスの側面のイラストを見てみましょう。

コチラをみてみれば、「正解はB」という事になりますね。これは幼稚園の受験問題として出された有名な問題でもありますが、IQテストなどでも使われる問題になります。パッとこの答えが出る園児たちがいれば天才の片鱗があるのかもしれませんよ☆彡と終わりたいのですが(笑)

「ちょっと待った!!納得いきません!!」という声があるのも事実なのです。確かにこの問題は正解が「Bです!!」とも言い切れないないのです。なぜだかわかりますか?それでは保育士の先生たちにクイズになります。

さてこのクイズですが正攻法で考えれば「正解はB」になりますが、なぜ納得がいかない「正解はAです!!」と言い張る園児たちがいたのでしょうか?クイズの答えはこの後にお伝えするので、考えたい先生はココでストップしてください☆

◇:多様性を知るほどに答えは1つとも限りません

このバス問題(クイズ)ですが、普通に正攻法で考えれば間違いなく答えは「B」になります。しかし保育施設によっては「A」が答えじゃないんですか?となり、先生たちを困らせる問題なのです。

確かにこのイラストを考えたときに、出入口/昇降口が見えている側にはないので、反対側を想像するとBの方向に進んでいると考えられます。でもちょっと待ってください、このクイズ!!インターナショナルスクールの多くの園児たちは答えは「A」と回答するのです。

理由はなんとなくわかりますよね?確かに日本の道路で考えれば、図のイラストのようなバスは出入口/昇降口がないので、反対側にあると考えるとBの方向に進んでいます。日本は左車線なのでこのイラストのバスは間違いなくBが答えですよね。

一方海外には右車線の国も沢山あります。実はその数160か国と言われていて日本の左車線の方が実は少数派と言えますね。右車線の国と言えばアメリカを筆頭に、中国や韓国も右車線の国になります。つまり外国籍の人からしてみれば、このクイズを出されて、出入口/昇降口はどっちだ?なんてヒントを出されたら、なおさらAの方向に進んでいるとしか言えないのです(笑)昇降口も日本と逆になるわけですよね。

ちょっと想像してみましょう!!バスに乗った時に進行を正面に見ていれば、左側に日本では昇降口がありますよね。でも海外でバスに乗った時は、進行方向を正面に見ていれば、昇降口は右側にありませんか?このクイズの答えも逆になるという事なのです。つまりイラスト的には下記のようになるのです。

つまり多様性を考えたときに、文化や考え方は生まれた国や育った国によって大きく異なります。日本にある保育園や幼稚園であれば、園児たちは概ね日本人になるので、答えは「B」って答えるはずだ!!というのが実は多様性が欠落してしまっている考えになってしまうのです。

インターナショナルスクールであれば、Bの答えの園児もいれば、Aの答えの園児も出てきてしまうのです。どちらかと言えば「A」を答える園児の方が多い可能性も十分にあります。このクイズは想像力を掻き立てる素晴らしい問題になります。多様性に関しては過去に講義していますのであわせてこちらもご覧ください。

保育園のチームワークに必要な”多様性”とはなんだ?を真面目に考える☆彡

ただAかBか答えはどっちと園児たちに答えを求めると、生まれた国や育った国の文化によって正しい答えが導き出せなくなってしまう可能性もあるのです。つまり多様性を認めていくのであれば、問題の作り方も考えなければいけませんね。

◇:子供の考える力を育てるクイズとはなんだろう?

 

このように「どっち?」とか「どれだ?」と答えを求めてしまうと、文化によって答えが変わってしまったり正解が結局わからなくなってしまう事も沢山あります。AかBかという答えを出すよりも、AなのかBなのか?そしてその答えを出した理由はなんですか?を園児たちにも聞いてみるのが一番考える力を育てると感じます。

例えば保育園で先生たちが園児に対してこのクイズを出したとしましょう。「さあ、このバスはどっちに進んでいると思う?」と聞いたら「Aだ!!」と元気いっぱいの園児もいれば、「Bだ!!」と元気いっぱいの園児もいるでしょう。

その時に先生たちは「正解はBです!!なぜならね…」と説明するのではなく、「それじゃあどうしてAだと思うの?」とか「どうしてBだと思うの?」とこのクイズの答えを出した理由を聞いてみるといいでしょう。そうすると園児たちはどう答えるでしょうか?

「だって、だって先生!!これ窓だけで、いつもバス乗るところがないよ。だからBだよー」という園児もいれば「先生、これ乗る所がないよー!!だからAだよー」と理由は同じにも関わらず、答えが異なるケースも沢山出てきますし、もしかしたら大人たちが想像もつかないような面白い理由で答えを導く園児たちもいるでしょう。

つまり実は本質的にはこのクイズには正解がないのです(笑)もちろん計算問題のように答えが明確なものに関しては、正しい答えを教える事は必要ですが、クイズやなぞなぞに関しては答えを決めてしまうよりも、答えを作る事やそもそもクイズやなぞなぞを作らせるゲームにした方が、子供たちの考える力が湧いてくるものです。

そしてもしもこの「このバスはどっちに進んでいるクイズ」を正確にBと答えを導くのであれば、「このバスは日本国内を走っていて、日本の国土交通法を順守して走っていると想定します。それではこのバスはどちらに進んでいるでしょう?」みたいに伝える必要があったかもしれません。この伝え方でも抜け道があるかもしれませんが(笑)

例えば子供の時を思い出せばこんなクイズやなぞなぞがあったと思います。「きっても、きっても切れないものなんだ?答えは「水」なんてよく話していたと思います。蛇口の水を流して、チョップしても水は流れ続けているので確かに切れていません。でもチョップしたその瞬間で言えば水も切れている瞬間はあるので不正解とも言えますし、蛇口をしめる事で水の流れをきる事も出来るので「水」が正解とも言い切れません。屁理屈だと思わないでくださいね(笑)

またきってもきっても切れないで言えば「家族の絆」と答えた強者の園児もいました(笑)つまり答えを出す事が目的にするよりも、なぜそう考えたのか?を園児たちに聞いてあげる事が一番の学びになり考える力を育てると言えますね。

是非クイズやなぞなぞを保育園でした時には、たとえ間違った答えであったとしても「どうしてそう思ったの?」と聞いてみると新しい発見があり、保育士の先生たちの学びにもなりますよ。

新しい常識とは得てしてこのような所から生まれてきます。例えば転職活動で言っても、30年前であれば生涯雇用が普通だったかもしれませんが、今では転職してキャリアップする事が保育士と言えども普通になってきています。多様性とは様々な考え方を認め、そして新しい何かに挑戦するときにもきっと役に立つ考え方だと思います。是非実践してみてください。

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