新卒保育士が入職１週間で「辞めたい」と感じたときに考えるべきポイント【初めての保育園勤務】
1. 新卒保育士が「辞めたい」と感じる理由
保育士として働き始めたばかりの新卒保育士が「辞めたい」と感じる理由は、特に最初の数か月間で多く現れます。早ければ働き始めた初日に感じたり、１週間たっても不安な気持ちがなくならなかったり。1ヶ月経ったら辞めたい気持ちが大きくなったりする事もあります。保育学生ではなく、初めての保育士としての仕事だから不安も大きいでしょう。仕事に慣れないうちは戸惑い、不安やストレスを感じるのは誰にでもあることです。ここでは、新卒保育士が感じやすい代表的な理由について詳しく解説していきます。少しでも新卒の保育士が心休まるように、想いを込めてお伝えしていきます。
新卒保育士の公的機関からの離職率のデータはありませんが、保育士全体の離職率は9.4%と厚生労働省のデータからは言えます。現在令和６年なので上がっているのか下がっているのかを判断することは難しいですが、保育学校学校独自のデータでは1年未満の退職は15％ー25％ほどだと考えられているようです。
新卒保育士の離職率が高いと言えますが、一方で初めての就職に悩んでいる新卒保育士が多いとも言えます。
参考：ミスして保育士を辞めたい？今すぐ転職すべきヤバい環境
また2年未満の退職に関しては私営保育園だと17.9%とかなり高いことがわかる。これは通常の新卒離職率よりも高いと言えます。これは保育の仕事内容が問題ではなく就職活動の方法も理由の可能性は否定できません。保育士求人JOBSであれば複数の保育園を比較することができるので、第二新卒の保育士であっても離職率は5％未満です。自分にぴったり合う保育園を見つけたい方は一度ご相談ください。
1.1 人間関係に悩んでいる
職場の人間関係は、社会人になったばかりの新卒保育士にとって大きな壁となることが多いです。子どもたちと接するだけではなく、先輩保育士や上司、そして保護者とのコミュニケーションも欠かせません。この「人間関係」というのは、最初は戸惑いやすく、思った以上にストレスになることがあります。
例えばこんな経験はありませんか？
- 先輩保育士が忙しそうで質問しづらい。
- 職場で誰にも相談できず、自分だけが孤立しているように感じる。
- 保護者から厳しい言葉を受けて、自信を失ってしまう。
こうした悩みを抱えるのは、何もあなただけではありません。保育園の現場では、経験を積んだ先輩たちでも最初は同じように悩んでいました。もし人間関係で悩んでいるなら、無理にすべてを自分で抱え込まず、少しずつでも誰かに相談する勇気を持つことが大切です。具体的には、以下のような行動が役立つことがあります。
- 自分から挨拶をする：簡単なことに見えて、毎日続けることで人との距離が縮まります。
- 聞くタイミングを見つける：先輩が落ち着いているタイミングを見計らって質問をしてみる。
- 小さなコミュニケーションを増やす：日常のちょっとしたやり取りや声かけで関係が良くなることがあります。
一度にすべてを変える必要はありません。少しずつ、あなたのペースで人間関係を築いていきましょう。
1.2 業務の多さにストレスを感じている
保育士の仕事は、思った以上に忙しいです。最初は「子どもと楽しく過ごせる仕事」と思っていたかもしれませんが、実際に働き始めると、保育以外の業務が山ほどあることに気付かされます。日報の作成、保護者対応、イベントの準備、掃除など、次から次へとやるべきことがやってきます。
そんな中で、こんな状況に直面したことはありませんか？
- 毎日仕事が終わらず、帰宅が遅くなってしまう。
- イベントの準備や書類作成に追われ、子どもたちとの時間を楽しめない。
- 自分のペースで仕事が進められず、常に焦っている感覚がある。
初めての社会人生活で、仕事の量に圧倒されるのは自然なことです。しかし、少しずつ自分のペースを見つけ、業務を効率よく進める方法を学んでいくことが重要です。まずは、以下のポイントを意識してみてください。
- 業務をリスト化して優先順位をつける：その日のうちにやるべきことをリストにし、緊急なものから手をつけていくと焦りが少し和らぎます。
- 分担や協力をお願いする：一人で抱え込まず、同僚や先輩に「手伝ってもらえませんか？」とお願いしてみることも大切です。
- 休憩をしっかり取る：忙しい時こそ短い休憩を取り、リフレッシュすることで集中力が戻ります。
また、すべてを完璧にこなす必要はありません。日々の小さな進歩を自分で認めることが、心の負担を軽減します。また施設形態によってはイベントが少ない保育園もたくさんあります。イベントや行事が少ない保育園で働きたい時はご相談ください。
1.3 仕事に自信が持てない
「自分はこの仕事に向いていないんじゃないか」と感じたことはありませんか？新卒保育士にとって、保育士の仕事は責任が大きく、自分が果たしてその役割を果たせているのか、自信がなくなる瞬間が訪れることもあるでしょう。特に、次のような場面で自信を失ってしまうことが多いです。
- 子どもたちが言うことを聞いてくれず、指導に苦労する。
- 他の保育士がスムーズに業務をこなしているのを見て、自分と比べてしまう。
- 保護者から厳しいフィードバックを受けて、落ち込んでしまう。
これらの場面に直面すると、「自分はこの仕事に向いていないのかもしれない」と感じることがあるかもしれません。しかし、実際にはこれは誰もが通る成長の過程です。初めからうまくいくことはありませんし、失敗を重ねながら学んでいくことが大切です。以下のような視点を持つと、気持ちが少し楽になるかもしれません。
- 小さな成功に目を向ける：子どもたちが少しでも笑顔を見せてくれたり、「先生ありがとう」と言ってくれる瞬間が、あなたの成長の証です。
- 失敗から学ぶことをポジティブに捉える：失敗は成長のチャンスです。何がうまくいかなかったのかを分析し、次に生かしていきましょう。
- 先輩保育士にアドバイスをもらう：自分のやり方に自信が持てない時は、遠慮せずに先輩に聞いてみましょう。長く働いている人でも最初はみんな同じ悩みを抱えていました。
自信を持つまでには時間がかかりますが、毎日の小さなステップを積み重ねることで、自然と自信はついていきます。何より、子どもたちにとってはあなたの存在そのものが大きな支えとなっていることを忘れないでください。
あなたが「辞めたい」と感じる理由は、決してあなただけが抱えているものではなく、多くの新卒保育士が共感できる悩みです。焦らず、少しずつ自分のペースで仕事に慣れていくことで、今の不安やストレスも解消される瞬間がきっと来ます。
参考：「保育士 辞めたい」ならチェックすべき10項目
2. 新卒保育士が辞めたいと感じた時の対処法
保育士として働き始めたばかりのあなたが「辞めたい」と感じた時、最も大切なのは、すぐに感情に流されず、冷静に対処することです。焦って決断する前に、少し立ち止まって自分自身と向き合いましょう。ここでは、具体的な対処法について詳しく紹介します。
2.1 感情的にならず、一度冷静になる
「辞めたい！」と強く思った瞬間、心が疲れきっている場合がほとんどです。そうした時、すぐに「辞める」という結論を出すのではなく、まずは一度気持ちを落ち着かせることが重要です。
こんなことはありませんか？
- ある出来事にショックを受けて、その瞬間に「もう無理だ」と思ってしまう。
- 急に不安感やストレスが押し寄せて、全てを投げ出したくなる。
そのような時こそ、一度深呼吸をして感情を落ち着けてください。保育士の仕事は、体力や精神的な負担が大きいですが、感情的になって判断すると後悔してしまうこともあります。以下のポイントを意識して、冷静な自分を取り戻しましょう。
- その日の夜はしっかり休む：疲れが溜まっている時は、特に物事をネガティブに考えがちです。心も体もリセットするために、まずはゆっくりと睡眠を取りましょう。
- 短期的に物事を捉えない：1日や1週間だけの辛い出来事にとらわれず、もう少し長いスパンで自分の成長を考えてみてください。
- 深呼吸や散歩などでリフレッシュする：ストレスが溜まっている時こそ、一度その場を離れ、リフレッシュすることが大切です。自然の中を歩いたり、趣味の時間を持つことで気持ちが整います。
一度冷静になった上で、次のステップをゆっくり考えてみましょう。焦らずに立ち止まることが、実は最も大切な第一歩です。
2.2 同僚や先輩に相談する
「辞めたい」と感じた時、次に大切なのは、信頼できる同僚や先輩に相談することです。保育士の現場では、ひとりで全てを抱え込むのはとても辛いです。しかし、同僚や先輩はあなたと同じような経験をしてきたはず。相談することで、意外なほど心が軽くなることがあります。
例えば、こんな風に感じたことはありませんか？
- 仕事でミスをしてしまい、「もう向いていないのかも」と思ってしまう。
- 先輩保育士や他の同僚が忙しそうで、質問するタイミングがわからない。
こうした悩みをひとりで抱え込まず、思い切って相談してみましょう。相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 先輩保育士の経験談を聞ける：先輩たちも同じ道を通ってきたので、具体的なアドバイスや励ましをもらえることが多いです。
- 他の視点を得られる：自分だけで考えるとネガティブな方向に偏りがちですが、他の人からの視点をもらうことで、解決策が見つかることがあります。
- 孤独感が和らぐ：職場で同じ悩みを抱えている人がいると知るだけでも、気持ちが楽になることがあります。
もし「誰に相談したらいいのか分からない」と感じたら、まずは信頼できる先輩や親しみやすい同僚から始めてみましょう。少し勇気を出して話してみることで、状況は意外と変わるかもしれません。
2.3 小さな成功を積み重ねる
保育士としての仕事に自信が持てず、「もう辞めたい」と感じることもあるでしょう。しかし、重要なのは、日々の小さな成功に目を向けることです。完璧を目指すのではなく、一歩一歩前進することが大切です。
日常の中で、こんな小さな成功を見逃していませんか？
- 子どもたちがあなたの指導に従い、うまく行動できた。
- 保護者から「先生、いつもありがとう」と感謝の言葉をもらえた。
- 子どもたちがあなたに笑顔で近づいてきてくれた。
これらはすべて、保育士としての「小さな成功」です。特に新卒保育士は、大きな成果や即効性のある成長を求めがちですが、現実はそう簡単にはいきません。まずは以下のような心がけを持ち、小さな成功を自分で認めることが重要です。
- 毎日「できたこと」を3つ書き出す：どんなに小さなことでも、「今日できたこと」をリスト化してみると、自分の成長を客観的に認識できます。
- 子どもたちの笑顔を大切にする：あなたの存在や行動が、子どもたちにとって大きな支えになっていることを忘れず、その小さなリアクションをモチベーションにしましょう。
- できなかったことにとらわれない：失敗したことばかりに目を向けず、できたことに目を向ける習慣をつけると、次第に自信がついていきます。
日々の仕事で得られる「小さな成功」が、あなたの保育士としての自信につながっていきます。焦らず、ゆっくりとその積み重ねを楽しんでください。「辞めたい」と感じる瞬間は、誰にでもあります。しかし、感情に流されず、周りの力を借りて、小さな成功を一つずつ積み重ねることで、自然と次のステップが見えてくるはずです。焦らず、自分のペースで成長していきましょう。
3. 保育士として成長するために意識すべきこと
新卒保育士としての最初の一年間は、驚きや戸惑いの連続です。仕事に慣れることが一番の目標ですが、それと同時に「どう成長していけるか」を考えることも重要です。成長のペースは人それぞれなので、他人と比べる必要はありませんが、以下のポイントを意識すると、より前向きに保育士としてのキャリアを築いていけるでしょう。
3.1 失敗から学ぶ姿勢を持つ
保育士として働き始めたばかりの頃、失敗を恐れて完璧を目指そうとしていませんか？実は、失敗は避けられないものであり、そこから学ぶ姿勢こそが成長の鍵です。
よくある失敗の例としては：
- 子どもたちの前で指示がうまく通らず、クラスが混乱してしまう。
- 予定通りに活動を進められず、時間が押してしまう。
- 保護者からの要望に対応できず、後から悔やむ。
このような失敗は、新卒保育士だけでなく、経験を積んだ保育士でも日常的に起こるものです。しかし、重要なのは、その失敗をどのように受け止め、次に活かすかです。以下のことを意識してみてください。
- 失敗を責めない：失敗して落ち込むのではなく、「次はどうすればいいか」を考えることが成長のステップになります。
- 振り返りを習慣化する：その日の仕事を振り返り、何がうまくいかなかったか、どう改善できるかを短くメモする習慣をつけると、次の成功に繋がります。
- 他の保育士の経験を聞く：先輩保育士に「こんな失敗をしてしまった」と話してみましょう。同じような経験談を聞けることで、失敗を共有し学ぶことができます。
失敗から得る学びは貴重な経験です。それが成長への一歩となり、次に同じ状況に直面した時には、より冷静に対応できるようになります。
3.2 焦らず、自分のペースで成長する
保育士としての成長は、決して急ぐものではありません。周りの先輩や同僚と自分を比べてしまうことはよくありますが、それが逆にストレスになってしまうことも。成長には個人差があり、焦らずに自分のペースで進むことが大切です。
新卒保育士は、こんなことで焦りを感じることが多いかもしれません。
- 他の保育士が自分よりスムーズに仕事をこなしているように見える。
- 一度教わったことをすぐに実践できず、自信を失ってしまう。
- クラス運営や子どもたちとの接し方で、うまくいかない場面が多い。
こういった焦りに対処するためには、次のことを心がけてみましょう。
- 自分のペースを信じる：他人と比較するのではなく、昨日の自分と今日の自分を比べることで、自分の成長を実感できます。
- 段階的な目標を立てる：大きな目標ではなく、「1週間で〇〇を習得する」「今月は子どもたちとの遊びをもっと充実させる」といった小さな目標を設定し、達成感を得ることが大切です。
- 無理をしない：無理に多くの仕事を抱え込んでしまうと、心身ともに疲れてしまいます。できる範囲で着実に進むことが、長い目で見て成長に繋がります。
成長のスピードは一人一人異なるため、自分の歩幅を大切にしながら進めば、結果として持続可能な成長を遂げることができます。
3.3 自分に合った働き方を見つける
保育士の仕事は多岐にわたり、それぞれに得意不得意があります。仕事に慣れてくると、「自分にはこのやり方が合っている」「ここが得意だ」というものが見えてくるはずです。自分に合った働き方を見つけることが、長く続けていくためのポイントです。
例えば、次のような点を意識してみましょう。
- 自分の得意分野を把握する：子どもたちと遊ぶ時間が得意なら、そのスキルを活かして毎日の保育に取り入れる。逆に事務作業が得意なら、効率的に記録をまとめる方法を模索するなど、自分の得意分野を伸ばしていくと良いです。
- 苦手なことをサポートしてもらう：苦手な分野があれば、無理に一人で完璧を目指すのではなく、先輩保育士や同僚にアドバイスを求めたり、協力をお願いすることで、負担を軽減できます。
- 時間管理を工夫する：毎日の業務量が多い中で、効率よく時間を使うことは重要です。例えば、事務作業は時間を決めて集中する、休憩時間はしっかりと取るなど、自分に合った時間管理術を見つけましょう。
- 保育スタイルの選択肢を増やす：保育園によって保育方針や働き方が異なります。自分が最も心地よく働ける環境を見つけるために、いろいろな保育スタイルを学び、試してみることも大切です。遊びを重視する園や、教育に力を入れている園など、さまざまな保育方法に触れることで、自分に合ったアプローチを発見できるかもしれません。
3.4 メンタルケアを怠らない
成長していく過程で、心のケアも忘れてはいけません。保育士は体力的にも精神的にも消耗しやすい仕事です。特に新卒保育士は、まだ環境に慣れていないため、ストレスを溜め込みやすい傾向があります。成長を意識する上で、自分の心と向き合うことも同時に大切です。
以下の点に気を付けて、心の健康を守りましょう。
- 適度な休息を取る：忙しい毎日だからこそ、休みの日はしっかり休んでリフレッシュすることが大切です。疲れが溜まっていると、判断力が鈍り、余計なストレスを感じる原因になります。
- 趣味や好きなことに時間を使う：仕事だけに集中するのではなく、趣味や友達との時間を大切にしましょう。日常の楽しみがあると、仕事へのモチベーションも保ちやすくなります。
- 同僚や友人とストレスを共有する：孤独にストレスを抱え込むのではなく、同僚や友人とストレスを分かち合うことで、心が軽くなります。定期的に気軽に話せる場を設けるのも一つの方法です。
参考：保育園で感じる保育士/幼稚園教諭のストレス別のストレス解消を1分で解消を徹底攻略
3.5 子どもたちから学ぶ姿勢を持つ
保育士として成長していく過程で、実は子どもたちから多くのことを学べることに気づくでしょう。子どもたちは一つひとつのことに純粋な興味を持ち、毎日新しいことを学んでいます。そんな姿勢から、保育士もたくさんのことを感じ取り、成長の糧にすることができます。
- 子どもたちの柔軟性を見習う：子どもたちは失敗を恐れず、何度でも挑戦します。この姿勢は、保育士としての成長にも通じるものがあります。うまくいかなくても、柔軟に挑戦し続けることが重要です。
- 子どもたちの純粋さに触れる：保育士は忙しい日々の中で、どうしても余裕がなくなることがありますが、子どもたちの純粋な笑顔や好奇心を見ていると、心が癒されます。日々の小さな喜びを見つけ、子どもたちからも成長のヒントをもらいましょう。
保育士として成長するためには、失敗を恐れず、焦らずに自分のペースで歩んでいくことが大切です。人それぞれ成長の仕方やタイミングは異なるため、自分に合った働き方を見つけ、心身の健康を保ちながら、少しずつ自信を積み上げていきましょう。
