子どもたちの心をしっかりつかむ!保育士が身につけたい「超傾聴力」〜3つの基本スキルと保育現場での応用テクニック〜
子供たちの心を開く保育士になる超傾聴力〜3つの基本と保育園での応用~ ◇:もしも子供たちが心を開いてくれてば、もっと日々の保育業務が楽になる 園児たちの中には、自分の気持ちをうまく伝えられない子、積極的に話すのが苦手な子 […]
保育園で働いていれば、メンタルが弱い保育士もいれば、メンタルが弱い園児もいるでしょう。この表現だけを聞いてしまえばネガティブな印象を受けるかもしれません。しかしもう少し付け加えるのであればよく言えば感受性が超豊かな保育士や園児もいると思います。このような超感受性が豊かな人たちをHSP (Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)と心理学では呼びます。
最近はこのHSP (Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)という言葉も一般的になっているので、保育園で聞く事もあるかもしれませんが、誤解されているのはHSPと聞くと感受性が豊かすぎてとても敏感で、メンタルが弱い人というイメージがありますが、実際のHSPとは実は異なるのです。むしろ感受性が豊かな事は、感受性がない事よりも大切だと感じます。
そしてHSPは悪いものと考えてしまうかもしれませんが、実はそんな事もありません。割と最近になってこのHSPという言葉が出てくるようになったので、実は自分自身がHSPだったと感じる方も実は多いのです。もし保育園の身近にHPSかな?と感じる先生や園児がいたら参考にしてくださいませ。最近の心理学のトレンドとしては生まれ持った性格を治すというよりも、ある程度デメリットを認識し経験しながらその性格を活かすことが大切だと言われています。これもまた大切な個性になります。
本日はこのHSP (Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)とは正しくはどのような人の事を指すのかを説明しながら、自分がHSPなのかどうか?のチェックテストも記載するので、是非自分自身のHSP具合を数値化してみると良いでしょう。それでは講義のスタートです!!
参考:the highly sensitive person
園児でも0歳~5歳と若くしてとても感受性が豊かな子供も沢山います。保育士であれば年齢の幅はさらに広いですよね?さてこの超感受性が豊かなHSPになりますが、どうしてHSPになるのかを調べたのが2020年のロンドン大学クィーンメアリー校になります。
どのような実験かと言えば、一卵性及び非一卵性の17歳の双子を2820人集めて、それぞれの遺伝子と困難な状況に強いストレスや不安を感じやすいとか、逆にポジティブな感情を感じやすいというような外部環境への敏感さについてチェックしています。つまりある程度HSPには遺伝が関連しているのではないか?という仮説があるという事ですね。
あれ?HSPってメンタルが弱いってネガティブな印象があるのですが?と感じた保育士様もいると思いますが、HSPとは周りの刺激の敏感さになる為に、その刺激がネガティブであってもポジティブであっても、敏感に反応する人の事を言うのです。
ですので保育園で悲しい事があればひどく落ち込んでしまう保育士や園児もいるかもしれませんが、人よりもストレスや不安を感じやすいのと同様に、ポジティブな状況では幸せも人一倍強く感じる事が出来るのです。HSP=デメリットと思われがちですが、現実では沢山のメリットだってあるのです。
逆に言えばこのメリットがある事をちゃんと本人も周りも理解していないと、ただただ繊細で撃たれ弱くて、メンタルが弱い人というネガティブな印象しか持つことが出来ず、本来あるメリットを活かすことも出来なくなってしまうのです。保育士の中にも自分がHSPかな?と悩んでいるなら、まずはしっかりとHSPを理解することからスタートすることが大切です。
HSPの保育士や園児はポジティブな事もネガティブな事も強く反応するので、まずは周りの環境を整えてあげる事が大切です。「やればできるから気合で頑張りましょう!!」のような根性論でHSPを変える事は難しいと言えます。
それよりも周りの人間関係を整えてあげたり、環境を変える事の方が圧倒的にHSPの保育士や園児との関係性は上手くいくのです。相手を理解する事ができれば、HSPのメリットもわかりどんな話をすれば良いのか?どんな可能性を広げてあげればよいのかもわかってきます。
というのも今回のこのロンドン大学の実験はHSPの遺伝的な影響と、外部環境からの影響をチェックしているのですが、遺伝的な影響が47%で、環境的な影響が残りの53%を占めていたのです。
つまり感受性の豊かさでもあるHSPの保育士や園児たちは、遺伝的な影響で約半分が生まれた瞬間に決まっているので、生まれた後にこれを変える事は難しいのです。一方で、残りの半分は環境要因と言えるので、周りの環境を変えたり人間関係を変える事でHSPのメリットを十分に活かすことが出来るのです。
もしかして自分はHSPかな?と感じる事があるのであれば、半分は遺伝で決まっているんだ!と受け入れる事が大切です。そして自分のHSPレベルがどれくらいなのかを知っておくことが大切です。そうすれば自ずと自分自身の強みを活かすことが出来るようになるのです。
それではHSPのメリットは何なんだろう?と思いますよね。このロンドン大学の研究ではさらにどのような性格特性なのかも調べています。
あくまで”可能性”という結果になるのですが、HSPの人たちは外部環境からくる敏感さを持っており、メンタル的に弱い可能性はありますが、一方で外向性を左右している遺伝子の要素が強い可能性もあるという事なのです。
つまりですよ、外部環境の影響に敏感なので”人と話すのは嫌いなのでは?”と思われがちなのですが、実が遺伝子で言えばとても外交的である可能性が高いのです。
鶏が先か、卵が先かというような話になりますが、外交的な故に人と接する機会も多く、そして人の感情にも敏感であり、その影響を受けてストレスを抱えたりメンタルを傷つけてしまう事が多い可能性があるのです。それでも外交的な遺伝子ゆえに、人と関わりたいのでまた傷ついてしまうのです。
もちろんこれが”可能性”の話になる為に、HSPすべてに言える話ではありません。メンタルが強くて内向的な人だっています。ただ今回のロンドン大学の結果では、敏感な人はメンタルが弱く外交的な可能性が高いという結論になっています。
それでは実際にHSPレベルをチェックテストで調べてみましょう!!保育士様がやるならこのままでも良いですし、園児たちにやってみるのであれば、文言を簡単にして咀嚼してテストをしてあげると近しい結果になりますよ。それではさっそくやってみましょう!!
以下の質問にそれぞれ1点(全く当てはまらない)~4点(どちらとも言えない)~7点(非常に当てはまる)のいずれかで回答してください。
1. 大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?
2. 大きな音で不快になりますか?
3. 一度にたくさんの事が起こっていると不快になりますか?
4. いろいろなことが自分の周りで起きていると不快な気分が高まりますか?
5. 明るい光や強いにおい、ごわごわした布地、近くのサイレンの音などにゾッとしやすいですか?
6. 忙しい日々が続くと、ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ刺激の少ない場所に逃げ込みたくなりますか?
7. 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか?
8. 短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
9. 他人の気分に左右されますか?
10. ビクッとしやすいですか?
11. 競争場面や見られていると、緊張や同様のあまりいつもの力を発揮できなくなりますか?
12. 強い刺激に圧倒されやすいですか?
13. 痛みに敏感になることがありますか?
14. 子供の頃、親や教師はあなたのことを「敏感だ」とか「内気だ」と見ていましたか?
15. 生活に変化があると混乱しますか?
16. 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
17. 自分に対して誠実ですか?
18. 美術や音楽に深く感動しますか?
19. 豊かな内面生活を送っていますか?
採点が終わったら、全ての点数を合計して終了です。この研究における平均値は以下のようになります。
・全体平均86.68点
・男性83.07点
・女性89.15点
もちろんこれが診断テストであり可能性の話なので平均点を超えたから良い悪いの話ではありません。平均点を超えていればHSPの傾向があるというだけの話です。90点を超えたくらいからHSPレベルが高い可能性がある為に、意識しておくと良いかもしれません。
先に伝えた通りでHSPだから悪い!!という話ではありません。人それぞれ感受性が異なるということを理解するのが大切です。園児であっても保育士であっても、物事の感じ方は大きく異なるということです。この診断テストではどのような事に対して感受性が強いのか?刺激を受けやすいのか?も実はわかるようになっています。感受性が高い事は悪い事ではなく、自分がどのような事象に対して刺激を受けやすいのかを知っていなければ、心が傷つく状況になってしまいやすいという事です。
例えば人間関係から刺激を受けやすい人が、人が多い保育園で働いてしまえば心が傷つく可能性が高い為に、小規模の保育園で働く事で人間関係の悩みを解消する事が可能になるのです。環境さえ変える事が出来れば、メリットである外向性や社交性を活かすことが出来るのです。
それでは今回のHSPレベルの診断テストをもう少し細かく見ていきましょう!自分自身がHSPレベルが高かったなら、特にどんな環境になると感受性が豊かになるのかを知りましょう。
美的感受性=質問16~19の合計点
平均は全体18.17点、男性17.41点、女性18.68点
質問16から19の合計点を計算し、平均点を上回るようであれば美的感受性が強いということが言えます。美的感受性というのはその名の通りアートです!!つまり絵画や音楽や舞台などの経験が影響を与えやすいと言えます。
ドラマを見て影響を受けたり、例えば保育園での行事やイベントで感動する。これも美的感受性と言えますね。この部分は感受性が豊かと表現できますし、純粋にこの特典が診断テストから高かったとしてもメリットとして考える事が出来ると思います。保育園を選ぶ際にも絵本の多さや、芸術に関する教育があるのかを基準に選ぶと、ポジティブな影響を受けやすいと言えます。
低感覚閾=質問1~7の合計点
平均は全体31.03点、男性29.61点、女性32.01点
これはわずかな刺激に対して反応するレベルを表しています。いわゆる鈍感な人はこのレベルが低いと言えますし、些細な事に敏感な人はこの診断テストの結果は高くなる傾向があります。平均点よりも診断結果が高い場合は、小さな刺激に対しても反応しやすい可能性があると言えます。
このような保育士様は小さな刺激や変化にも反応するので、園の雰囲気が静かである方が安心して働く事が出来ると言えます。お仕事探しや転職活動で求人を探す時は、園の近隣の雰囲気、いわゆる閑静な場所にあるか?とか、静かで落ち着きのある園なのか?を選ぶようにすれば集中力を保って働く事が出来るのです。
そしてこの低感覚閾の診断テスト結果が高い人には、実は大きなメリットがあるのです。それは何かといえば、相手の小さなことに気が付ける人だと言えます。小さな変化や微妙な変化が気になってしまうと感じるかもしれませんが、気付く事ができる人で観察能力が高いと言えます。
基本的には1人でいる事が安心できたり集中できたりしますが、反対にその観察力を活かすのは人がいる時であり、その鋭い観察能力で保育士や園児たちの小さな変化を見つけることが出来るのです。
易興奮性=質問8~15の合計点
平均は全体37.48点、男性36.06点、女性38.45点
保育園で怒りっぽい保育士や園児がいたら、この診断テストの結果が高い可能性があります。つまり外からの刺激に対して影響を受け、自分の内側から湧き出る感情をこらえる事が出来なかったり振り回されてしまう可能性があります。
この項目の診断テスト結果が平均よりも高いときは、感情に振り回されやすくなるので、大規模園のような人がたくさんいる保育園は苦手の可能性が高いでしょう。ストレスや不安に対しても圧倒される可能性も高いと言えます。つまり小規模保育園や企業内保育園のような保育士も少なく、園児数の少ない環境の方が安心して働ける可能性があります。
易興奮性は周りの環境から影響を受けすぎて、自分の感情をコントロールできないイライラと短気な人?と思ってしまえばデメリットのように感じますが、このタイプは人間関係の微妙な変化に気が付く事が出来ます。環境により感情が変化するので、人の感情に対しても敏感ですし、共感力が高い可能性があると言えます。
このように考えると決してHSPがただメンタルが弱いだけの人ではないとわかりますし、自分自身もまた周りもどのような環境にする事がベストなのかを知っていれば、これらの才能を活かすことが出来るのです。
つまり自分自身のHSPレベルを知っていれば、転職活動の時もどのような保育園に転職/就職する事がベストなのか?をある程度想像する事ができますし、環境によるストレスや刺激が少なければ、働いた保育園を辞めることなく働ける可能性も高いと言えます。
保育士として日々子どもたちと向き合いながら、「この環境で本当に自分が力を発揮できているのかな?」と感じたことはありませんか?特に、HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる繊細な特性を持つ方にとっては、職場の環境や人間関係が大きく影響を与えることがあります。HSPの方は、周囲の変化や刺激に敏感で、他の人が気にしない小さなことも大きなストレスになることがあります。そのため、自分に合った保育園選びがとても重要です。
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