子供たちの心を開く超傾聴力〜3つの基本~保育士の為の心理学講座~

◇:もしも子供たちが心を開いてくれてば、もっと日々の保育業務が楽になる

自分の気持ちを伝えるのが苦手な園児。積極的に話すことが出来ない園児。もっと保育士/幼稚園教諭の先生たちと園児がスムーズに話が出来れば、日々保育園で働く事も楽になるのにな。そう思った事はありませんか?

園児たちの言語レベルの問題ではなく、園児との心の距離を感じて「上手くいかないな…保育って難しいな…」と感じたことのある保育士/幼稚園教諭の先生も少なくないと思います。もしも園児たちが心を開いてくれて、お話しする事が出来ればなんと素敵な事でしょう。

本日の講義はまさにココです。傾聴力、つまり聞く事にフォーカスしながら園児たちの心を開く必殺技を今日は講義いたします!!もちろんこの心を開く方法は、園児だけではなくマネジメントで困っている保育士や、人間関係で悩んでいる保育士にも効果がある研究になります!それでは講義のスタートです!

 

◇:テロリストでさえも心を開くFBIの傾聴力を教えます

 

園児たちに関わらず保護者にも、同僚の保育士にだって、もしかしたら恋人だって、心を開いて欲しい相手がいませんか?保育園/幼稚園だけではなく、プライベートでも信頼してもらいたい相手がいる!もしもこんなお悩みを保育士/幼稚園教諭が持っているのであれば、心を開いてもらうポイントは傾聴力になるのです。

FBIと言えば海外ドラマではおなじみですよね(笑)そんなFBIの中には人質の交渉をテロリスト達とするネゴシエーターという傾聴や交渉のスペシャリストがいるのです。交渉相手はテロリストや犯罪者になる為に、交渉としてはかなり厳しい交渉になる事は想像できますね。そんなネゴシエーターですが、まずは交渉の基本となる人の行動を変える5段階モデルという理論を学ぶのです。どのような5段階になるのでしょうか?

◇交渉の為の5段階モデル
段階1:相手の話をちゃんと聞いていますよ!!という事をしっかり伝えるための傾聴
段階2:相手の行動の裏にある感情をしっかりと知る為の共感
段階3:自分自身が相手の感情を理解し、その理解した気持ちを相手が理解してくれることで生まれる信頼関係
段階4:この3つが出来て初めて説得や交渉が可能となる
段階5:相手の行動を変える

簡単にまとめさせていただきましたが、これらの5つの段階が交渉の為の5段階モデルになるのですが、とにかく重要な事は最初の傾聴になるのです。実際にFBIのネゴシエーター教育をするときも、一番大切な事は傾聴と言われており、ここでちゃんと相手の話を聞いている事さえ伝われば、以降のステップはスムーズに進みやすくなると言われています。

つまり保育園で相手が園児であったとしても、心を開いて欲しいと思ったり、園児たちの行動を変えてもらいたいと思ったのであれば、まずはしっかり聞く事、つまり傾聴力が保育士/幼稚園教諭にも大切であることがわかりますね。

言い換えるのであれば、育園/幼稚園/こども園で園児たちとコミュニケーションをとるときに、傾聴力があれば相手が心を開き、がっちりと心を掴むことが可能だとも言えます。反抗期に入っている自分の子供だったり、恋愛相手だったり、マネジメント対象の部下だったりと応用範囲はとても広いのです。

この傾聴力のテクニックで言えば、細かく見ていけば沢山あるのですが、基本となるのは実は3つしかありません。まずはこの3つを抑えて園児たちの心を開いて信頼関係を作っていきましょう。

◇:超傾聴力その1⇒話している時は口出しをしないで、短くうなずき続けましょう

傾聴力の失敗例
先生:「どうして〇〇ちゃんをぶったりしたの?」
園児:「えーん、先生、だって、だってね・・・」
先生:「だってだってじゃダメでしょ。お友達ぶったらダメでしょ!!」

結論として園児が人をぶってはいけないというのは、伝えなければいけない事ですし、行動を変えてもらわなければいけない事です。しかしビジネスで言われるアンサーファースト、つまり結論をズバッと伝えてしまっても、保育園/幼稚園/こども園にいる子供たちは”理由”がわからないのです。これは保育士も経験したことはありませんか?ズバッと論理的に正しいことの結論だけを言われれも、納得感を持つことは難しいのです。

それでは信頼関係構築の為に、相手の話をしっかり聞いている姿を見せるのであれば、お互いに話したり、身振り手振りを大げさにリアクションしてみたり、それこそ話している最中に、食い気味に会話に入ってしまいがちです。ところが相手の心を開き信頼関係を築くためには、これは絶対にしてはいけない事です。

傾聴の基本は口出しをすることなく、短くうなずく事が基本になります。「うんうん」とうなずいたり、「そうだね」とうなずいてあげたり、短くうなずく事が基本になります。「ちゃんと聞いてますよ!!」をアピールするために大げさにうなずく必要はありません。

相手の心を開きたいと思ったときは、会話が大切なので自分も色々話さないといけないと考えてしまいますが、むしろ話をされると相手は自分の話を聞いてくれていないと心理的に思ってしまうのです。

相手が話している時は聞く事に集中して、短くうなずいてあげる事が基本です。相手が子供であったとしても同様です。

◇:超傾聴力その2⇒短い質問を繰り返して相手が「ちゃんと聞いてくれている」という印象を与えましょう

 

それではずっと短くうなずいていれば良いのかと言えばそれはまた異なります(笑)あくまで相手が話している時は、聞く事に集中するという事です。ただ相手もずっとしゃべり続けていれば「むむ。。。ちゃんと話を聞いてくれているのかな?」と不安になってしまう時もあるのです。

3分~5分に1回くらいのタイミングで「ちゃんと私の話を聞いてくれているのかな?」と様子を見てくるときがあります。そんなタイミングがあれば「それはどういうことなの?」とか「どうしてそう思ったの?」のように短い質問を合間に入れてあげるのが良いですよ。

園児だから短く質問するのではなく、心を開くためだと勘違いして、長い質問をしてしまうと「結局何が聞きたいんだろう?」と質問の意図が全然わからなくなってしまって、答えられないフラストレーションがたまってしまうのです。保育士も話が長い人は「結局何が言いたいの」と感じたことはあるでしょう。これと同じです。

ましてや保育園/幼稚園/こども園にいる園児たちはまだ言語レベルや論理力は発達していません。ですので「わかりやすく」そして「短く」質問を知る事が保育士/幼稚園教諭が対応すべきことなのです。こうすることで園児たちは「先生は話を聞いてくれている!」という感情と共に、より喋りやすくなるのです。

第一段階としては、とにかく聞く事に集中して園児が話している間は口出しをしないで、短く「うんうん」と聞いてあげる事です。先生が話を聞いてくれている印象を園児たちが持ってくれれば、時折短い質問を保育士/幼稚園教諭がする事によって、先生はちゃんと興味を持ってくれていると感じ、より園児たちが話しやすい環境になるのです。

お喋りが好きな園児もいるでしょう。でも人間はずっと一人でしゃべる事はとても難しいのです。人間は承認欲求からずっと自分の事を話していたいと思っていても、ずっとしゃべり続けると心理的には圧倒的な不安がおとずれるものなのです。

◇超傾聴力その3⇒相手が話した内容を、短くまとめて相手に確認をとる

 

そして最終段階では、園児たちが話してくれたことに対して、「じゃあ〇〇ちゃんは、〇〇って思ったって事?」と短くまとめて、園児たちと確認を取りましょう

園児たちが一通り喋った後に、「そうなんだね!!」とか「我慢できなかったんだね!!」と保育士/幼稚園教諭の先生の感想を伝えるだけでは、園児からすると「ちゃんとわかってくれたのかな?」という気持ちになってしまうのです。

かといって園児たちに向けて「なるほど、言い換えるのであれば〇〇という原因があった為に、〇〇という行動を起こしてしまって、結果的に〇〇ちゃんをぶってしまったって事なのかな?」と言ってしまえば印象としては最悪です(笑)

これは相手が子供だからは関係ありません。これが反抗期の子供でも、恋人でも、部下であっても要約して、論理的に語る事は要約するという点では正しいかもしれませんが、人の心を開き信頼関係を築くには絶対にしてはいけない事です。言っている事はかっこいいかもしれませんが、なんかイライラする状態を作ってしまうだけです(笑)

論理的に尋問のようなまとめ方をするのではなくて、園児たちが沢山話してくれた内容を聞いて、自分自身の理解が正しいのかを園児たちに確認する質問がポイントになります。

「〇〇ちゃんの話を聞いて、先生は〇〇って思ったけど合ってる?」と保育士/幼稚園教諭の先生の認識と園児たちの認識があっているか?を確認するのです。ここまでする事が出来れば、園児たちもちゃんと自分の話を聞いてくれているという印象が強くなり、心を開き信頼関係を築くタイミングが来ていると言えます。

この3つの基本的テクニックは臨機応変に使ってください。というのも相手は子供であり園児です。泣いてしまって会話ができない事もありますし、話しているうちに会話が止まってしまう事だってあります。

基本は園児たちが話している時は口出ししないで短くうなずく事が基本になりますが、合間合間に質問をしてみたり、自分の理解が正しいのかの確認をしてみたりしながら会話を進めていくと、おのずと園児たちは心を開いてくれるようになり、ここまでできて初めて「それなら〇〇しないとね!!」と行動を変える依頼をする事が出来るという事なのです。

例えば保育士/幼稚園教諭が求人を探し転職活動をしていると想像してみてください。保育園を辞めたい理由や、次の保育園に求める事があるにも関わらず、自分の話を聞かないで「うちの園においでよ!!」とか「ここの園に行ったらいいじゃん!!」と言われてしまえば、もっとちゃんと話を聞いて欲しいと思い、心を開く事は難しいと感じませんか?まさに同じなのです。

是非このテクニックを活用して保育園/幼稚園/こども園で園児たちや保護者達の心を開かせ、信頼関係を構築して楽しい保育ライフをお過ごしください。

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