◇:おもちゃを買い与えすぎる事は子供の想像力を奪う!?
孫が可愛くておもちゃを沢山買ってくれるおじいちゃんがいる!!これを聞いたらなんともよだれがでるくらい嬉しいですよね☆彡保育園にも沢山おもちゃがあって、遊び放題!!それに比べてうちの保育園は…とともすると考えてしまいますが、そんな保育士に朗報です!!
実はおもちゃが沢山ありすぎる環境というのは、子供の想像力を奪い、それこそ将来の可能性を潰してしまうかもしれないのです!?!?「えええ!!」と保育士もご家族も感じるでしょうが、とても興味深い実験結果が発表されたのです!
本日お伝えする実験結果を知っていれば日々の保育でも先生たちに役に立つ授業が出来るようになると思います。本日のテーマは「沢山のおもちゃが想像力を奪う!!」を講義していきます。
保育士様が転職活動中に求人を探している時に、どんな教育をしているのか?を気にされることも多いでしょう。遊具があるか?絵本はあるのか?など様々な事を考慮すると思いますが、保育園の思想や考え方もまた考慮すべき点だとも言えます。おもちゃが少ないからと言っても一概に不利ではないという事お話ししていきます。
◇:想像力とはアイディアの源泉、子供の成功に欠かせない力です。
トレド大学で非常に興味深い実験結果が発表されました。どのような結論かと言えば「おもちゃや物が少ない環境で育った子どもの方が、クリエイティブになる可能性が高い!」という何とも想像しがたい実験結果が発表されたのです。保育園で働いている保育士様にとっては、ご家族へのアドバイスも少し変わるような論文結果だと思いませんか?
つまりおもちゃを良かれと思って買い与えるほどに、自分の頭で考えない子供になってしまうというのです。想像力や創造力に関してはアイディアの源泉になるので、子供たちが成長し大人になった時にも、ビジネスを成功に導く大切な能力になります。
しかしちょっと注意点!!おもちゃを与える事と、経験をさせない事は全く異なります!沢山の経験はした方が良いのです。つまり形に残らない思い出や経験になるような活動を増やし、おもちゃ(物)を減らしていくことが大切です。経験かな?おもちゃかな?と悩んだら、形があるかないか?で判断すると間違いありませんね。
今の子供たちは、ほんの10年前と比べても物が溢れている時代に生まれています。スマホやタブレットを持っていたり、ゲーム機器だって沢山あります。公園にみんなで集まって運動しないでみんなでゲームをしている子供たちの集団を見たことがある保育士も少なくないでしょう。
一方、一昔前であれば、ゲームやスマホがなかったとしても、とりあえず公園に集合して、子供たちは自分たちで遊びを作って楽しんでいました。鬼ごっごをしていても、自分に都合の良いルールに変えて遊んだ経験もあるでしょう(笑)
子供たちは楽しむ天才です。これは保育士さんにとって釈迦に説法でしょう。物が少ない状況でもどうすれば自分たちが楽しむことが出来るのかを考えて、大人では思いもよらないようなルールや使い方を考える事が出来ます。つまりこれこそ子供の想像力/創造力でありクリエイティビティ―が育っている瞬間なのです。
このような正しそうな仮説をもとにトレド大学は実験をしました。「おもちゃの数は一定以下にした方が子供の想像力が育つのでは?」を研究したのです。
◇:トレド大学の「こどもの想像力を育てるおもちゃの数はいくつだ?」の実験
想像力/創造力を育てる為におもちゃはどれくらいあるのが理想なのでしょうか?トレド大学の実験では生後18か月~30ヵ月の幼児36名を対象に2つのグループに分けて実験をしました。まさに保育園にいる子供たちと同じ年齢になりますよね。
◇:おもちゃの数をわけた子供のグループ
グループA:おもちゃが4個だけある部屋で遊んでもらう子供のグループ
グループB:おもちゃが16個ある部屋で遊んでもらう子供のグループ
おもちゃの種類としては、積み木や車の模型、お人形など様々なものがありました。おもちゃが沢山ある部屋で遊んだ子供と、少ないおもちゃで遊んだ子供でどのような変化が出るのでしょうか?普通に考えればおもちゃが沢山ある方が色々な経験ができるのかな?と思いませんか?
この結果、なんとも興味深い結果が出たのです。おもちゃの数が少ない部屋で遊んだ子供たちの方が、集中力が約108%も上がったのです!つまり集中力が2倍以上になったという事ですね!
つまり4つのおもちゃで遊んでいたグループは、1つ1つのおもちゃに触れる機会が25%づつになるので、目の前のおもちゃで遊ぶ時間が長くなったのです。一方で16個のおもちゃがある子供たちは、おもちゃが沢山あるので目移りしてしまい、1つ1つのおもちゃにふれる機会が約6.25%になるということなのです。
おもちゃが4つしかない為に、子供たちはどうするかと言えば、今まで経験したことを頼りに、他にどのような遊び方(使い方)があるのかを想像し考えるようになったのです。つまり物事に集中し想像する力養われている瞬間です。このような結果からおもちゃの少ない部屋で遊んだ子供の方が、より想像力の高い遊びをするようになったと確認されているのです。
◇:大人も制限がある方が、実はアイディアが出るのです
実は今回の実験のような経験を大人も日々経験しているのです。例えば保育園で園児たちの為になるなら何でもやっていいですよ!!予算も無制限で内容も自由です!と聞けば、「おおお!!やったるぜ!!」と保育士様も思いますが、制限がないと自由すぎて何から手に付けていいかわからないくなってしまいます。
それよりも「予算は1万円以内で、雨の日に教室で出来る事。」と制限をかけられる方が、実はアイディアというのは出てくるのです。制限がある方が想像しやすくないですか?保育園終わりに、同僚の保育士とご飯を食べに行くと想像してみてください。「なんでも良いよ!」と言われるよりも「二人でゆっくり話せるところ!」と言われた方が、お店のイメージが湧き想像しやすくありませんか?
つまり子供も大人も実は同じで、制限があればあるほどに不自由に感じてしまいますが、実は新しいアイディアは制限の中から生まれてくる事の方が多いのです。言い換えれば子供の時から少ないおもちゃで遊んでいれば、この想像力/創造力が鍛えられているという事になります。
変化の激しい今、そして今以上に変化が激しくなると予測される未来。その中で子供たちが大人になり、生きていく必要あります。その為には想像力/想像力は欠かせません。子供たちがたくましく育ち、保育士や親がいなくとも自立できる大人になって欲しいと願うのであれば、おもちゃを与えすぎない事、想像力を鍛える遊びをさせる事が大切になります。
◇:ペットボトルを使って何して遊ぶ?
是非保育園で園児たちにペットボトルだけ渡して、どんな遊びをするか眺めてみてください。きっと想像もできないような遊びを考えてくるでしょう。保育士の皆様はペットボトルがあればどんな遊びを考えてみますか?
キャップを使って野球をする子供もいます。ペットボトルを剣に見立てて戦いごっこをする子供もいるでしょう。油性ペンで顔を書いてお人形遊びをするかもしれません。強者ならば、ペットボトルの上に片足で立てるか?なんて遊びもありますね。失敗してペッチャンコになったペットボトルを見て、フリスビーのように遊んだり、メンコにするかもしれません。
さらに割りばしや輪ゴムをつかって、ゴム鉄砲を作ってみたり、ドラムセットにしたり、ギターを作ってみた園児たちもいるでしょう。ペットボトルと何かプラスアルファがあれば、なんでも作れるぞ!!って気持ちになると思います。
つまり可能性は無限大なのです。この想像力の為に必要になるのが経験です。今まで自分が見たもの、感じたこと、経験したことが、このアイディアの道しるべであり、ヒントになるわけです。改めて沢山の経験を子供たちにさせる事、そして制限ある環境、つまりおもちゃを少なくすることが子供たちの想像力を自然と伸ばす方法と言えますね☆彡
子供たちの想像力を伸ばしてあげたいと思ったら、是非保育園のものつくりの時に試してみてください。また保護者に「想像力を伸ばすトレーニングですよ。」と伝えれば、保護者達もほっこりするでしょう☆彡