◇:園児たちと仲良くなれているかな?そう思ったら”アレ”を調べましょう!!
4月になれば可愛い新入園児がたくさん入ってきたり、今まで見ていた園児たちと離れて別のクラスを持ってみたり、担任ではなくてフリーの保育師や補助に回ったり、保育園/幼稚園/こども園では様々な園児たちとの出会いが保育士にはあるのです。これは毎年楽しみですし、卒園の時は涙をこぼしてしまったり。
保育園の転職活動をしているときにも、この保育園の先生たちと園児たちは仲が良いのかな?なんてことを考えることだってあるでしょう。
これから新しく触れる園児たちと仲良くなれるかな?ちょっとそんな不安が襲ってきたり…よくよく考えてみたら、園児って私って本当に仲良しなのかしら?と結果的に猛烈に不安になってしまったり(笑)
保育士/幼稚園教諭の先生!!是非ご安心ください!!本日のテーマはまさにココです。園児たちと保育士/幼稚園教諭の先生達が仲が良いのかわかる”アレ”をお伝えします。そして仲が良くなるための方法や、例外に関して海外の心理学の実験を基にお話ししていきましょう。それでは講義のスタートです!!
◇:園児と仲が良いかな?そんな心配になったらまずは”アレ”をチェック!!
さっきから”アレ”ばかりでズルいと思わないでください(笑)今回の海外の研究はカンザス大学の研究になります。429人を対象をした実験になります。この実験のポイントは2点になります。
◇カンザス大学の人と仲良くなる心理学的実験
1:仲良くなるにはどれくらいの時間がかかるのか?
2:どんな話をすれば仲良くなるのか?
具体的にどんな実験だったかと言えば、オンラインで過去半年間で新しい街に引越しなどをして人間関係が変わった人を集めました。まさに人間関係をゼロから築く必要がある被験者と言えますし、まさに「はじめまして!!」と園児と触れ合う保育士と同じと言えるのです。
新しい街に引っ越して環境が変わったことにより、新しく友達が出来ますよね?そして時間と共に友人関係や人間関係が変化していくと思いますが、まさにこの人達に定期的にヒアリングをして、親密度がどのように変わるのか?を調べた実験になります。
面白い実験ですよね。この実験でまず分かったこと。つまり冒頭から”アレ”と言っている正体になるのですが、これはズバリ答えを伝えるのであれば”どれくらいの時間を一緒に過ごしているのか?”というのが親密度、言い換えれば仲の良さと相関性が高い事がわかったのです。そしてこの仲の良さのグレードは3段階あることがわかりました。
◇:仲の良さを表す3つのグレード
グレード1:50時間の壁(カジュアルフレンド)
グレード2:90時間の壁(クローズフレンド)
グレード3:200時間の壁(ベストフレンド)
それでは1つ1つ説明してきましょう☆彡
◇:カジュアルフレンドと言える50時間の壁を越えた人たちとはどんな仲?
この時間は平均時間になるのですが、平均で約50時間くらい一緒に過ごすといわゆる友達と言えるような、カジュアルフレンドになるとされていました。友達と言っても、「まあ、顔は知ってるし話したこともありますよ!!」って知人レベルもあれば、「よく話してますよ!!」と感じるケースもあると思いますが、これらを総括して知人なのか友達なのかこの間に位置するには、逆に言えば50時間くらい、同じ時間を過ごす必要があると言えますし、50時間を過ごせばカジュアルフレンドと言えるのです。
つまり園児たちと保育士/幼稚園教諭の先生たちとも、まずは50時間は一緒にいる必要があるという事です。例えば9時から15時まで一緒いれば5時間一緒にいる事になりますね。でもきっと午睡もあるのでこれはカウントしないと考えると、1日4時間くらいは一緒にいる事になります。慣らし保育などで2時間や3時間のケースだってありますよね。もちろんその園児だけに付きっきりではありませんが、仲良くなるには時間が必要だと認識しておけば、少し気持ちも楽になるでしょう。
50時間一緒にいると考えれば、12日~13日一緒いれば、園児も「〇〇先生だ☆彡」と理解してくれるところまで行くという事ですね。稼働日で考えるのであれば2週間は必要ですし、慣らし保育の時間を加味するのであれば3週間くらいかかる事だってあります。顔見知りのような状態になるだけでも絶対に必要だという事がわかります。
ですのでもしも保育士/幼稚園教諭の先生が園児たちとすぐに仲良くなれないのよ…とお悩みであれば、それは人間の本能として当たり前の事なので、あまり深く気にする必要はありませんよ。それこそ時間が解決してくれるので、3週間くらい時を流してみましょう。
◇:気の合う友達と言える90時間の壁を越えた人たちとはどんな仲?
50時間も一緒に過ごして友達って感じかなー?とか顔見知りレベルだと考えるとプライベートではなかなか大変ですよね(笑)それではもう一段園児たちを仲良くなりたい!!と思ったら、平均して90時間ほど一緒にいる事が必要になります。
この実験での関係性で言っても「仲が良いですよ☆」とか「気が合う友達です!!」と呼べる関係になるのです。親友か?と言われるとそうではないレベルのようですが、いわゆる一緒にいて「仲が良い!!」と思えるレベルになるのです。クローズフレンドという表現をしていました。
では園児たちとの90時間で考えると、先のケースで考えるのであれば22日~23日は必要になるという事ですね。保育園の稼働日で考えるのであれば、5週間~6週間は必要になってくるイメージですね。つまり4月の入園児たちや新しいクラスの園児たちと考えれば、5月のゴールデンウイークあけてしばらくしたら「お!!なんだか仲良くなってきたぞ☆彡」と感じる瞬間が増えるかもしれませんね。
もちろん平均で約90時間と考えれば、6月になってしまう事だってありますが、夏前には園児たちと仲が良いと言える状態になっているでしょう。
◇:親友と言える200時間の壁を越えた人たちとはどんな仲?
さらにさらに!!保育士が超絶に園児たちと仲が良い関係になるには?と考えると、平均で約200時間ほど一緒にいる必要があると言われています。
このカンザス大学の実験でも200時間を超えると「仲が良い」を大きく超えて「親友」と言える、とても大切で親密な友人関係に変わってくるのです。保育園/幼稚園/こども園ではどれくらいの時間軸化と言えば、200時間と考えるとおそらく50日程度で、稼働日換算をするの出れば3か月~4か月は必要と想定されるので、7月~9月ごろには園児たちとの関係性がとてもよくなっているといます。
もちろんこれも平均の話をしているので、園児たちと共に過ごしている時間次第では秋になってしまう事もありますが、逆に言えば冬になってしまう事や1年中仲良くなれない…なんて悲しい事は心理学的には起こりにくいといますね。
逆に言えば90時間と200時間には大きな開きがあり、200時間を共にしなければ「先生と園児が仲が良い!!」とはなかなか言えないと。ですので例えば園児たちに大切な何かを伝えたり、理解してもらおうと思ったらなら、200時間を共にしなければ誤解されてしまう事だってあるかもしれません。それは相手が幼児で子供だからというのもあるかもしれませんが、関係性がまだ微妙である可能性がある事も忘れてはいけません。
◇:過ごした時間が異なるのであれば仲の良さは異なります
今回のカンザス大学の実験の面白い所は「一緒に過ごした時間」と「仲の良さ」が相関性があるという事です。ですので毎日保育園に来る園児もいれば、お休みが多い園児も出てくると、先生と園児たちとの仲の良さは異なるという事です。
Aちゃんは毎日来てるから200時間を超えて仲が良い。でもBちゃんは登園できない事も多いので50時間しか同じ時を過ごしていないケースもあると思います。全員と同じ時を過ごしたとを誤解して園児たちとコミュニケーションをとってしまうと、上手くいかないケースも出てきてしまうかもしれませんので、園児たちの出欠席に関しては頭に入れておくと、よりコミュニケーションの方法も明確になるでしょう。
いやいやでも…ぶっちゃけ人間同士じゃないですか…話が合わない事もありますし、そんな時間だけで仲が良くなるなんて言われてもね…おっしゃる通りです(笑)まさにそれこそ、カンザス大学の実験のポイント2であり「どんな話をすれば仲良くなるのか?」だったのです!!
◇:口下手でも、会話が苦手でも心配ありません!!
それでは実際に同じ時間を過ごしたとして、実際に何をしゃべれば良いのか?話す内容はなんでも良いのか?という疑問も出てきますよね?実は一緒に過ごす時間というのは「仲の良さ」に関係性があったのですが、なんと話す内容というのは関係がなかったのです!!
つまり口下手であっても、会話が苦手だったりしても、その空間に一緒にいるという事が大切になるという事ですし、その時間が長くなればなるほどに、仲が良くなったり、信頼が出来るというような関係性に変化をしていくという事なのです。
でもこの実験って1対1の場合じゃないんですか?と思うかもしれませんが、保育士/幼稚園教諭の先生達には朗報なのです(笑)これは1対1に限らず、複数で会っていても、そこにいるだけで自分は喋っていなくても、一緒にいる時間を過ごしていれば、親友と言える関係性になると研究では伝えられております。
無理にしゃべる必要がないと思えば、ちょっと安心する事もできますよね。つまり保育士が園児と仲良くなるためには、園児一人一人と向き合って、一緒にいる事、それが実は一番大切な事だったりするのです。
それではこんな疑問が出てきませんか?「それなら職場の保育士たちも、みんな仲良くなるって事ですか?わたしは人間関係で実は困っています…」このようなケースもあると思います。
ここにはまさに例外と言える条件があります。この50時間、90時間、200時間というのはお互いが積極的に参加して、一緒に過ごした時間をカウントするので、職場でただ一緒にいるだけではこの時間にはカウントされないのです。
ただし逆を言えば、積極的に誘ってみて一緒にいる時間を増やせば、苦手な先生との関係性も改善する可能性があるとも言えます。
ですので園児たちも同様に義務的にくるのではく、明日も先生に会いたい!!明日も保育園に来たい!!と思ってくれるような期待を毎日持たせてあげて、お互いが積極的に「また明日ね!!」と言える環境を作れば園児たちとの仲もめちゃくちゃ良いと言えますね。
まずは”アレ”。そうです、園児たちと200時間一緒に過ごすことを目標にすれば、日々の保育業務もまた新しいコミュニケーションが増えてきますね。