頑固な同僚/上司の意見を変える方法~保育士の為の心理学講座~

◇:頑固な先生や園児の意見を変える事なんてできるのか?

 

保育園で働いていれば「先生のいう事なんて絶対に聞かないぞ!!」と良く言えば意志の強い、悪く言えば頑固な園児だっていると思います。園児だけに限らず同僚の保育士/幼稚園教諭の先生たち同士でも、会議などで「どうしてこんなに正しい事を言っているのに、意見を変えてくれないんだろう…」と頑固な先生がいてちょっとイライラっとストレスが溜まってしまう事はありませんか??マネジメントをしていれば絶対に意見を変えない部下がいてちょっとイライラ…

これは保育園/幼稚園/こども園のような保育施設だけではなく、いわゆるホワイトカラーの会社で働いていても、頑固な人というのはいるのです…これは困っちゃいますし、正直ストレスも溜まりますよね?

 

◇:頑固な人ってそもそもどんな人なんですか??

 

そんな頑固な先生や園児がいて、もう本当に毎日大変…そんな保育士/幼稚園教諭の先生たちも少なくないでしょう。それではそもそも頑固な人ってどんな人なのでしょうか?

これは実はある程度定義があります。「頑固な人=思考力や論理力が欠ける/感情のコントロールが出来ない」というが傾向になります。つまりある程度の経験や失敗をすると、それが自分自身の学びになって「このままだと失敗する!!」という気持ちになり、頑固なままではやばい!!と本能が働き、意見を変える事が出来るのです。

一方で園児たちで考えれば、まだ失敗する経験も少なければ、何をすれば人は喜び、何をすれば人は怒り悲しむのかという絶対的な経験がありません。ですので園児に関しては、頑固というよりも経験がない為に良くわからない。というのが頑固の正体になります。

例えば小学生や中学生、ある程度大人になれば「意見を変える大切さ」を知ったり「人の気持ちがなんとなくわかる。」という心が育った状態になる為、意思はあっても頑固ではない状態に多くの人がなります。いわゆる空気を読めるようになるって事ですね。

一方で大人になって頑固な人はちょいと厄介です。様々な経験が少ないまま大人になってしまえば頑固にもなってしまいますし、経験があったとしても思考力や論理力が欠落してくれば頑固になってしまいます。残念な事に年齢を重ねるほど、若い時のような思考力や論理力は衰えてしまうので、年齢が高くなるにつれて頑固になる傾向はあります。

◇:そんな頑固な園児や先生の意見を変える説得方法ってあるのですか?

 

ちょっとイライラしちゃう頑固な人の意見を変える事ができれば、これだけでストレス解消になりませんか。もしかしたら頑固な先生が理由で人間関係が悪くなってしまっている保育園/幼稚園/こども園も少なくないでしょう!!「我慢できない!!転職してやる!!」と思って求人を探す時だってありますよね?

でも、もしもこんな頑固な人の意見を変える事が出来たら、少しストレス軽減出来たり、「転職してやる!!」って思っていた気持ちも、少し和らいだりしませんか?

そんな方法が実はあるのです。成功の確率は約30%と言われている、頑固な人の意見を変える方法、本日はこれをテーマに講義していきましょう。

 

◇:頑固な人の意見を変えたければ”圧倒的な誇張”をしてみましょう!!

 

世の中には答えが出せないような難しい課題もあれば、どう考えても”普通に考えれば答えは明確”な時もありますよね?厄介なのはこの”普通に考えれば答えは明確”なのに頑固な人が意見を変えてくれない時です。

保育士/幼稚園教諭の先生たちは頑固な園児や先生がいたときは、どのように説得してみますか?「それはやっぱりわかりやすく論理的に話すのが一番良いと思います!!」と思いますよね(笑)ただ頑固な人の特徴は、思考力や論理力がないので、実は論理的に話したとしてもなかなか意見を変えてくれないのです。

どう考えても正しいので正論を言えば言うほど、相手が硬直してしまって、結果的になぜかめっちゃ怒られる…こんな経験をした保育士も少なくないでしょう。まさにこれは説得が失敗してしまった状況ですよね?

それではこんな頑固な園児や頑固な保育士の意見を変えるためには、どのように説得すれば良いのでしょうか?ズバリ答えを言うのであれば、相手の意見をビックリするくらい誇張して伝える事(逆説的思考の介入法)。これが頑固な人の説得には効果があるという実験結果があるのです!!どんな実験だったのでしょうか?

◇:頑固な人の意見を変えるための実験はコレだ!!

 

そんな頑固な人の意見を変えるのはどうすればいいのでしょうか?それを調べて実験をしてくれたのが、テレアビブ大学の行った研究になります。

この実験はある同じ国籍男女150名を集めて、2つのグループに分けた実験になります。グループごとに異なる動画を見せてどのように政治的主張に関する意見が変わるのかを調べた実験になります。つまり動画を見せる行為というのは「説得を試みてみる!!」という行為の大体になります。ではこの2つのグループにどのような動画を見せたのでしょう?

Aグループ:何の変哲もない映像を見てもらって、意見の変化をみる
Bグループ:自国の政治的主張を強烈に誇張した形で、猛烈に自国の正しさをアピールした動画

この実験の150名は全員同一の国の男女が集められております。Bグループには自国がどれだけ道徳的な国であり、どんな武力行使をしてでも自分たちが正しい!!と強烈にアピールしている動画になっていました。そしてこの150名の同一国籍の男女は、自分たちが世界一道徳的な国であり、理念の為なら武力行使になってしまっても仕方なし…と思っているいわゆる頑固な人と同義の人が集められています

研究者によると「とある同一国の男女」を集めたことにも理由はあり、この同一国の方たちは自分たちが世界で最も道徳的な社会に住んでいると思ってり、自国の政府の考え方が「間違っている!!」と考える人は非常に少ないと言われている為に被験者にしたという事です。つまり言葉を変えれば頑固であるともいえるわけですね。

 

◇:頑固な人の意見が30%も変わる!?

 

そんなグループAとグループBになりますが、なんの変哲もない動画を見せたグループAは想定通りではありますが、自分たちの意見が変わる事はありませんでした。武力行使であっても今の政治が正しい!そう判断したのです。

一方でグループBにはかなり誇張した動画を見せると意見が約30%も変わったのです。これは「逆説的思考による介入法」と研究者たちは呼び、この極端に誇張した動画を6週間見せたところ、頑固な人の意見が「やっぱりそれはおかしいんじゃないか?」と変わったそうです。

どのように極端な動画だったかと言えば「自国の為の利益になるのであれば、近隣国と戦争しても、究極的には世界中と戦争をして、武力行使になったとしても、自分たちが正しいと思う事をすべきだ!!」というかなり極端で、そもそも思想ともかけ離れた動画になるのです。

このような逆説的思考の介入法により「さすがに自国にも悪いところはあるのでは?」と考え方に変わったわけです。

つまり頑固な園児や、頑固な先生のように聞く耳を持ってもらえないケースでは、どんなに論理的に話しても、正しい事を話しても効果がなく、逆に相手が主張している意見を、恐ろしく誇張して「あなたは正しいですよ!!これくらい極端になってもやり切りましょう!!」のように伝えると、意見が変わりやすくなるという事なのです。

一体どんな心理的なバイアスがかかっているのかと言えば、あまりに極端な持論を第三者から言われたときには、逆に冷静になり「いやいや、いくらなんでもそれは言い過ぎだ(笑)」とブレーキがかかるわけです(笑)

そうです、頑固な人の意見を変えようと思った時には、相手の意見を圧倒的に誇張して伝え「あなたは絶対に正しいですよ!!」と強力に主張してあげると、その相手は意見を変えやすくなります。

生まれながらに思想が体に染みついている人たちの思想なので、かなり根深い問題であり意見を変える事は難しいと思われていましたが、参加者の30%が考え方を変えたという事は、保育園/幼稚園/こども園で頑固な人の意見を変えるには、有効的な手段と言えますよね。

そもそも頑固な人というのは、実際の課題に対して意見を変える事が出来ないのもそうですが、自分自身のプライドが邪魔をしてしまい、相手の意見に耳を傾ける事ができない事も多いのです。つまり感情をコントロールする事が出来ないという事ですよね。

改めて第三者から「極端で誇張された自分の意見」を言われると「いやいや、そこまでではないよ(笑)」と意見を変えやすくすることが出来るという事なのです。

◇:例えば保育園で保育士が逆説的思考の介入法を必要とするケースがどんな時??

 

今回の実験のテーマは政治問題を取り上げていましたが、保育園の中でも「頑固な人の意見を変えたい!!」と思う事はありますし、日常の中でもこのような時はあると思います。

例えば「にんじんは食べたくない!!」とか「ピーマンは食べたくない!!」という園児がいたとしても、「お野菜にはこんなに栄養があるんだよ。食べないと病気になっちゃうかもしれないんだよ!!」と保育士/幼稚園教諭の先生たちが懇切丁寧に説明したとしても、なかなかいう事を聞いてくれない可能性があります。

でも逆説的思考の介入法で伝えるのであれば「そうだねにんじんなんか食べなくても良いよね!!どんなにお腹がすいたってニンジンなんか食べる必要はないよね!!お肉だけ食べて病気になっちゃう方がニンジンなんて食べるよりも良いよね!!」と伝えれば、「先生…そこまで嫌いではないですよ。」と30%の園児たちが言う可能性があるという事です。

「そこまで嫌いじゃないなら、食べてみましょう。」と伝えれば、園児たちもパクっとニンジンを食べてくれるかもしれません(笑)あまりに極端に主張されると、さすがに疑問に思ってしまうことは皆さんも経験したことはありませんか?

例えば転職しようと思ったときに、「年収400万以上もらえるなら我慢できる!!」と思ったのであれば、自分自身の希望条件を極端に誇張してみるのも良いかもしれません。「年収400万ならどんなことでも我慢できる!!どんなに人間関係が悪くても、どんなに残業や持ち帰り業務あっても我慢できる!!」と自問自答してみたら、「いやいや、そこまでじゃないです。やっぱり人間関係の方が大切かな?」と新しい自分が大切にしている事が出てきたりしますよ。是非参考にしてみてください。

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