母子同園職場を叶えたてくれた保育士求人JOBS
兵庫県宝塚市にお住まいの30代保育士、田中優子さん(仮名)は、子供を保育園に入れるために転職を決意しました。しかし、理想の「母子同園」が可能な保育園を探すのは一筋縄ではいかず、多くの困難に直面しました。今回は、そんな優子 […]
保育って、子どもにとっては“社会に出る最初の場所”なんですよね。
だからこそ、そこで「安心できる」と感じてもらうことがいちばん大事だと思っています。
私たち花音保育園は、奈良県天理市にある小さな保育園です。
でも「小さいからこそ、ひとりひとりを丁寧に見つめられる」。
それがうちのいちばんの強みだと思っています。
うちの園では、“母子同園”といって、自分の子どもを同じ園で預けながら働くことができます。
よその園では「お母さんがそばにいたら子どもが甘える」と敬遠されることも多いのですけど、私はそれでいいと思ってるんです。
お母さんがそばにいることで、子どもは安心する。
お母さん自身も、子どもの園での姿を見られる。
それって、どちらにとっても大きな安心だと思うんです。
もちろん、職員みんなで気を使う場面もあります。
でも、「子育てと仕事を両立したい」人が、ちゃんと働ける場所にしたい。
保育って、誰かを支える仕事ですけど、同じように“働くママを支える”場所でもありたいと思っているんです。
花音保育園では、体調不良児の受け入れをしています。
登園後に熱がでたり、少し体調が悪くても、できる範囲で預かる取り組みです。
きっかけは、私の姉が看護師として働いていた頃の経験で、
夜勤が続いたり、過労で体調を崩したりして、心身ともにすごくしんどそうでした。
その姿を見て、「働くお母さんが少しでも安心して働ける場所を作りたい」と思ったんです。
もちろん簡単なことではありません。
でも、「しんどい時こそ助け合える園」でありたい。
保育って、子どもを預かるだけじゃなくて、家庭を支える仕事でもあると思うんです。
だから、体調不良児の保育は、うちにとって“やさしさの延長線”みたいな取り組みです。
うちが大事にしているのは「丁寧な保育」です。
でも、“丁寧”って言葉だけ聞くと、なんとなく上品で静かなイメージを持たれるかもしれません。
私が言う“丁寧”は、そういう意味とはちょっと違います。
どんなに小さくても、子どもはひとりの人間。
泣いたり、噛んだり、押し合ったりしながら、ちゃんと社会を学んでる。
そこに「いい」「悪い」を決めつけるんじゃなくて、
どうやったら安心してその経験を積めるかを考えるのが、私たちの役目じゃないかなって思うんです。
先生たちにもよく言うんです。
「怒るのではなく、愛情込めて叱ってあげてね」って。
ダメなことはちゃんと伝える。
そこに“愛情”を込めることが丁寧さやと思うんです。
お母さんたちは、仕事復帰のタイミングに合わせて「4月から預けたい」と言われることが多いんです。
でも、子どもにとってはその切り替えがとても大きな変化なんです。
だから私は、「3月から少しずつ慣れていきましょう」とお伝えしています。
最初は1時間だけ、一緒に過ごすところから。
そこから少しずつ時間を延ばして、子どもが安心できるようにしていく。
それが“慣らし保育”です。
大人の都合だけで進めてしまうと、どうしても無理が出てしまう。
泣いたり、風邪を引いたり、体調を崩したりするのも自然なことです。
だからこそ、子どものペースに合わせて進めてあげてほしいなって思っています。
準備を丁寧にするのは、お母さんのためじゃなくて、子どものため。
子どもの「ここなら大丈夫」という気持ちを育てる時間やと思っています。
子どもたちには、しっかり体を使って育ってほしい。
その思いから、足育(あしいく)にも取り組んでいます。
実は、私は介護の仕事からスタートしていて、
「足のゆびをしっかり使うことが、体のバランスを整える」と感じてきました。
だから保育でも、裸足で過ごしたり、足指を動かす体操を取り入れたりしています。
子どもの足って、まだ軟らかくて、どんどん形が変わっていく。
だからこそ、今のうちに“自分の足でしっかりと立つ力”を育ててほしいんです。
「はいはい」をたくさんするのもすごく大事。
頭を支えたり、体幹を鍛えたり、すべてつながってるんですよ。
じっとしてるより、動いて見て感じることが、子どもたちの世界をどんどん広げていくんです。
もうひとつ大事にしているのが音育(おといく)です。
ヤマハ音楽教室の先生が来てくれて、月2回ほど音で遊ぶ時間をつくっています。
音楽って、教えるものじゃなくて“感じるもの”だと思ってます。
「ぞうさん」の歌なら大きな音、「ありさん」なら小さな音。
「雷が鳴るよ!」って言ったら、みんながキャーって逃げる(笑)。
そんなふうに、音で感情を動かすんです。
大きい音、小さい音、早い音、遅い音——
それだけで、子どもたちは“違い”を感じ取ります。
そこから「楽しい」「怖い」「うれしい」といった感情を学んでいく。
それが“音育”です。
保育士さんたちも、ピアノが上手じゃなくても大丈夫。
声と体でリズムをとるだけでも、子どもたちはちゃんと感じ取ってくれます。
うちは100点満点を目指してるわけじゃありません。
でも、いつも“子どものために”を中心に考えています。
先生たちも、それぞれ得意なことや苦手なことがある。
それでいいと思っています。
大事なのは、子どもたちとちゃんと向き合おうとする姿勢。
「上手にできなくてもいい。
一生懸命、優しく関わろうとする人がいれば、それで十分。」
子どもは、大人の顔や心をよく見ています。
だから、嘘のない姿勢でいれば、ちゃんと応えてくれる。
そういう瞬間を、私は何度も見てきました。
私は、抱っこを大切にしています。
抱っこって求めてきたら抱っこしてあげてほしい。泣いたらもちろん抱っこしてほしい。
抱っこは、子どもにとって「安心してもいいよ」という合図です。
乳児保育って、特別なことをするのではなく生きていくために当たり前のこと(食事、排せつ、睡眠、活動、など)を、丁寧に続けること。
その積み重ねが、子どもたちの“最初の安心”をつくっていくと考えています。
保育って、“子どもを育てる仕事”と思われがちですけど、
私は“子どもと目線を合わせながら一緒に遊ぶ仕事”やと思っています。
子どもと一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に成長していける人。
そんな人と一緒に働けたらうれしいです。
花音保育園では、あなたの優しさをそのまま活かせます。
完璧じゃなくていい。
でも、子どもとまっすぐ向き合いたい。
そんなあなたを、心から歓迎します。