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子供の未来をダメにする怒り方と正しい怒り方~保育士の為の心理学~

子供の未来をダメにする怒り方と正しい怒り方~保育士の為の心理学~

保育園/幼稚園/こども園で働いていれば保育士も園児たちを怒らなければいけない時はありますよね?怒る事もパワーがいりますし、怒られた園児もショックを受けてしまう事も沢山あると思います。ではこの園児を怒る事は、どのように怒る事が正解なのでしょうか?

実はこの怒り方次第で子供たちの将来が大きく変わるという研究結果が出ているのです。そして脳がまさにこれから育っていく園児たちで、保育園/幼稚園/こども園で保育士に怒られた事なんて将来忘れているでしょ?と思われがちなのですが、怒られた事というのは実は記憶に深く刻み込まれて、トラウマになって今う事も、人格形成に大きな影響を与えてしまう可能性もあるのです。

これらはロンドン大学の研究で発表されているのですが、5300人分のデータを見ていくと怒り方、正確に言えば「親の怒り方」で子供たちの将来が大きく変わるという興味深い研究が発表されたのです。保育士/幼稚園教諭の先生たちも圧倒的に子供たちと接するときが多く、怒らなければいけない時もある為に、この研究結果が役に立つと思います☆彡

本日の講義はまさにココです☆彡正しい怒り方を知って園児たちの将来をかっこいい大人にしてあげましょう!!もちろん園児や子供たちだけではなく、マネジメントや部下や後輩を怒る時にも有効な方法になります!!それでは講義のスタートです☆

目次

悪い怒り方をしてしまうと、子供たちの将来はどうなってしまうの?

それでは悪い怒り方をしてしまうと園児たちの将来はどうなってしまうのでしょうか?このロンドン大学の研究結果によれば、精神的に問題を抱えてしまったり、対人関係や人間関係に問題を抱えやすくなってしまうと言われています。

具体的に言うのであれば、人間関係において人と深い関係性を築けなくなってしまったり、距離感の取り方がわからない為に、急に距離を狭めたり広げたり、いわゆる空気が読めない状態になってしまう可能性があるのです。

そして究極的には人に対して暴力的になってしまったり、引きこもりになってしまったりする可能性があるのです。それほどまでに幼児期に怒られた経験や記憶というのは将来に影響を与えるという事ですね。

もちろんこれらの事象に関しては、遺伝子で決まる事や、人生で過ごす周りの環境、つまり友人関係で決まるものが半々くらいと言われる事も多いのですが、その中でも新たな変数として出てきたのがどれだけ怒られたか、言い換えるのであれば親の怒り方や、保育士/幼稚園教諭の先生たちの怒り方がとっても影響を与えるという事なのです。

今回の研究では親の特徴に関しても調べてくれているのですが、結論的には正しい怒り方、間違った怒り方の傾向がある事がわかりました。それは大きくは下記のイメージになります。

間違った怒り方:子供の未来をダメにしてしまう怒り方は、心理コントロール傾向が強い
正しい怒り方:子供の未来の可能性を伸ばす怒り方は、行動コントロール傾向が強い

「むむむ、なんか難しそうだな」と思うかもしれませんが、安心してください☆彡ばっちり説明してきましょう!!

子供の未来を壊すダメな怒り方(心理コントロール)とはこんな怒り方

ダメな怒り方ってどんな怒り方かと言えば、遠回しに、そしてネガティブな感情で心理的に子供をコントロールしようとする叱り方です。平たく伝えるのであれば「嫌味な怒り方」になります。このような怒り方を保育士/幼稚園教諭の先生たちがしてしまうと、園児たちはメンタルを病んでしまう可能性が高く、保育園/幼稚園/こども園の満足度も、先生に対する満足度も下がり、究極的には人生の満足でも下がってしまって、人間関係で問題を抱えやすくなってしまうと言われています。

例えばどのような怒り方かと言えば、「え~なんでそんな事しちゃったの。先生知らないよ~」と妙に罪悪感を煽ったり、「他のお友達はそんな事していのに、恥ずかしくないの~?」と園児たちが恥ずかしいと思ってしまうような、羞恥心を感じさせるネガティブな怒り方や、遠回しな怒り方は子供の未来をダメにする怒り方を言われています。これらが心理コントロールする怒り方と言われて、間違った怒り方と言われております。

それこそ「保育園だってお金がかかってるに、お父さんやお母さんが可哀そうだと思わないの?」みたいに伝える事も子供の未来をダメにしてしまう怒り方です。

園児にだって子供と言えどプライドがあるのです。先生たちも子供との時に「周りに人がいる中で怒られて恥ずかしいな」と思った事はあると思います。そうです、子供にもプライドがあり、あえて子供たちのプライドを傷つける必要はありません

わざわざ見せつけるがごとく他の園児がいる前で、叱ってみたり怒ってみたり、結果園児たちに恥をかかせたり、罪悪感を感じさせるような怒り方は子供の未来をダメにする怒り方と言えます。それでは正しい怒り方とはどのような怒り方なのでしょうか?

子供の可能性を伸ばす正しい怒り方(行動コントロール)とはこんな怒り方

それでは、園児たちの未来の可能性を伸ばす正しい怒り方とはどのような怒り方なのでしょうか?これは「園児たちがした行動」をシンプルに怒ってあげる事です。

例えば時間を守る事が出来ない園児がいたのであれば、「時間は守らないとダメだよ!」と言えばいいだけです。悪い怒り方としては「他の子は時間守ってるのに、〇〇ちゃんだけ守れないなんて恥ずかしい!!」などと言ってはいけません。園児たちの行動をしてくするだけにしてください。

お友達をぶってしまって泣かせてしまった園児がいるのであれば「お友達をぶったらダメでしょ!」とシンプルに怒ってあげればいいのです。「お友達をぶっちゃうなんて、鬼に怒られるし地獄に行くよ!!」などと怒ってもいけないというのはわかってきますよね。

さらにもう一つの怒り方のテクニックを伝えるのであれば「理由」を伝えると、さらに怒り方としては納得感が高いものになります。ただし(笑)この理由の伝え方は怒り方レベルとしては少し難しくなります。

つまり良かれと思ったら失敗してしまって正しい怒り方にならない場合もあります。理由を伝える時の重要なポイントは「ポジティブな理由」を伝えることで、ネガティブな理由を伝えてしまえば、また園児たちの心を傷つけるダメな怒り方になってしまうのです。例えば…

ポジティブに怒った理由も伝える:「時間は守らないとダメだよ。時間を守ったらみんながニコニコになるし喜んでくれるよ!」
ネガティブに怒った理由も伝える:「時間は守らないとダメだよ。時間を守れない人は人生で成功しないんですよ!」

かなり印象は異なりますよね(笑)時間を守れない人が人生で成功しない可能性も確かに高く、いつか伝える必要があるかもしれませんが、あえて園児たちにネガティブなインプットをするよりも、ポジティブな理由となる、「園児自身の成長になる事」や「他の園児たちも喜んでくれる事」を伝える事が正しい怒り方に理由をつけて怒る正しい怒り方2.0と言えるのです。

しかし保育士/幼稚園教諭の先生たちがポジティブな理由を伝える事に慣れていないと、理由がネガティブになってしまう傾向が強いので、まずは行動コントロール、つまりシンプルに行動に対して怒ってあげる事から始めましょう☆彡

そして行動コントロール3.0ともいえる最高の正しい怒り方で言うのであれば、どうすれば行動が改善するのか?も伝えてあげると子供の未来を伸ばす怒り方になると言えますね。もちろん「自分で考える力」をつけてもらうためには、何でもかんでも答えを与える事はこれもまた良くないので、バランスをみながら以下のフローのような怒り方が正しい怒り方のステップと言えます。

正しい怒り方の3ステップ

ステップ1:まずは行動を怒る⇒自分で考えさせる
ステップ2:理由とセットで怒る⇒新しい起点で自分で考えられるようになる
ステップ3:改善策とセットで怒る⇒考えてもわからないのであれば解決のヒントを与える

園児たちも実はいっぱい考えていっぱい悩んでいるのです。何度言っても改善がないのであれば、保育士/幼稚園教諭の先生たちが道しるべとなる解決のヒントをあたる事もまた大切な正しい怒り方と言えます。

注意すべきは明確な基準のもとに怒る

これで子供たちの未来を伸ばすことができる怒り方をマスターしたぞ!!と保育士/幼稚園教諭の先生も思うかもしれませんが、最後に注意点があります!!

もしももっと保育園/幼稚園/こども園で園児たちの為になる怒り方をしたいと思ったのであれば、「怒る基準/叱る基準」を明確にしておくと良いですよ。つまり何となく怒るのではなく、〇〇の時は怒る/叱るというリストや文章化をしておくと良いでしょう。

というのも園児たちは思っている以上に感性が育っており、思っている事を上手に言語化できなかったとしても、先生が怒っているタイミングに違和感を感じる事があるのです。

例えば同じ悪い事をAちゃんがしても先生は怒らないのに、Bちゃんがするとめっちゃ怒るな。大人であればこの矛盾を言語化する事が出来ますが、園児たちは言語化できないですが、先生に対しての違和感や矛盾を感じています。

つまり先生の怒る基準がなければ子供たちはネガティブな感情を抱えてしまうのです。今日は機嫌が悪いから怒りやすくなっちゃった・・・とか〇〇ちゃんとの相性が悪いから怒っちゃった・・・とかではなく、気分で怒るのであはなく明確な怒るルールを決めておきましょう。改めて正しい怒り方の要点を伝えていきましょう!

ステップ1:まずは行動を指摘すること
ステップ2:明確なルールのもと怒りましょう
ステップ3:園児毎で変わるのではなく毎回同じ強度で叱る

このようにすると、きっと保育園/幼稚園/こども園での園児たちはまっすぐ育つと思います。とにかく気を付けるべきは保育士/幼稚園教諭の先生たちは嫌味な心理コントロールはやめるようにしてください。

このロンドン大学での実験結果で言うのであれば、嫌味な心理コントロールをしない親に育てられた子供たちは、大人になり、老人になっても、人生に対する満足度が高くメンタルも健康的でいられたということが研究により分かっています。

保育園/幼稚園/こども園には未来の可能性にあふれる園児たちが集まってきています☆彡園児たちの未来の可能性を伸ばすためにも正しい怒り方/正しい叱り方をしていきましょう☆

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