もしも子供たちが心を開いてくれてば、もっと日々の保育業務が楽になる
園児たちの中には、自分の気持ちをうまく伝えられない子、積極的に話すのが苦手な子がいますよね。保育士として働く中で、「もっと園児たちとスムーズにコミュニケーションが取れたら、毎日がもっと楽しくなるのに」と感じることはありませんか?
子どもたちが言葉のレベルで伝えられるかどうかだけでなく、園児との心の距離感を感じて、「うまく関わりが築けないな…」「保育ってやっぱり難しい…」と思うことは、どんな保育士さんにもあるのではないでしょうか。それだけに、もし園児たちがもっと心を開いてくれて、思いを話してくれるようになったら、きっと保育園での毎日が今よりもっと素敵に感じられるはずです。
今日の講義では、この「心を開く」ためのアプローチに欠かせない「傾聴力」、つまり相手の話をしっかり聞く力に注目していきます。園児たちの心を開くためには、こちらが話しかけるだけではなく、彼らの言葉やしぐさに真剣に耳を傾け、関心を寄せることが大切です。今日ご紹介する方法は、園児とのコミュニケーションだけでなく、保育士同士の人間関係やマネジメントにも応用できる内容です。特に日々の保育業務で人間関係の悩みを抱えている方や、チーム内でのマネジメントに困っている方にも効果が期待できる研究です。
さあ、今から「心を開く傾聴の技術」について学び、園児たちが話しかけやすい保育士を目指しましょう!それでは講義をスタートします!
テロリストでさえも心を開くFBIの傾聴力を教えます
園児たちとの日々の関わりで、「もう少し心を開いてくれたらいいのに」と感じること、保育士さんならきっと一度はあると思います。たとえば、園庭で転んでしまった子が泣きながらも「痛くない」と意地を張るときや、お昼寝の時間にちょっぴり不安そうな顔をしている子がいるとき、「どうして?」と理由を聞き出したくても、なかなか素直に答えてくれないこともありますよね。
保育の現場では、「ただ話を聞く」ことが意外に難しいと感じる場面もあるのではないでしょうか。話を聞こうとしても、園児がまだうまく言葉で説明できない場合や、そもそも気持ちを話すのが恥ずかしくて言葉を飲み込んでしまう子も多いものです。そこで、FBIのネゴシエーターたちが実際に使っている「傾聴力」のテクニックを保育に応用してみましょう。
FBIのネゴシエーターは、過酷な状況下でテロリストなどとの交渉を行うプロたちです。彼らが交渉の最初に行うこと、それは相手の話を「しっかり聞く」ことです。FBIほど厳しい状況ではなくても、保育現場での「聞く力」が園児との距離を縮め、子どもたちが心を開いてくれるための大きな力になるんです。
たとえば、園児が言葉にしづらい悩みを抱えているとき、「どんな気持ち?」と問いかけるだけでなく、子どもの目線に合わせてじっくりと耳を傾ける姿勢を見せることが、心の扉を開くきっかけになります。園児が口に出さない小さなサインにも耳を傾け、安心感を与えることで、少しずつその子の本音を聞けるようになるかもしれません。
保育士にとって「傾聴力」が大切なのは、ただ話を聞くだけでなく、相手の気持ちをしっかり受け止めて寄り添う姿勢を見せることで、子どもが「この人なら安心して話せる」と感じてくれるからです。保育園の現場で、そんな傾聴の姿勢を少し意識するだけで、園児たちとのコミュニケーションは大きく変わってくるはずです。
そんなネゴシエーターですが、まずは交渉の基本となる人の行動を変える5段階モデルという理論を学ぶのです。どのような5段階になるのでしょうか?
◇交渉の為の5段階モデル
段階1:相手の話をちゃんと聞いていますよ!!という事をしっかり伝えるための傾聴
段階2:相手の行動の裏にある感情をしっかりと知る為の共感
段階3:自分自身が相手の感情を理解し、その理解した気持ちを相手が理解してくれることで生まれる信頼関係
段階4:この3つが出来て初めて説得や交渉が可能となる
段階5:相手の行動を変える
簡単にまとめさせていただきましたが、これらの5つの段階が交渉の為の5段階モデルになるのですが、とにかく重要な事は最初の傾聴になるのです。実際にFBIのネゴシエーター教育をするときも、一番大切な事は傾聴と言われており、ここでちゃんと相手の話を聞いている事さえ伝われば、以降のステップはスムーズに進みやすくなると言われています。
つまり保育園で相手が園児であったとしても、心を開いて欲しいと思ったり、園児たちの行動を変えてもらいたいと思ったのであれば、まずはしっかり聞く事、つまり傾聴力が保育士/幼稚園教諭にも大切であることがわかりますね。
言い換えるのであれば、保育園/幼稚園/こども園で園児たちとコミュニケーションをとるときに、傾聴力があれば相手が心を開き、がっちりと心を掴むことが可能だとも言えます。反抗期に入っている自分の子供だったり、恋愛相手だったり、マネジメント対象の部下だったりと応用範囲はとても広いのです。
超傾聴力その1⇒話している時は口出しをしないで、短くうなずき続けましょう
園児との日々のコミュニケーションで「もっと心を開いてくれたらいいのに」と感じること、保育士さんなら一度は経験があるのではないでしょうか?園児が安心して話せる関係性を築くためには、何よりも「しっかり聞いているよ」という姿勢を伝えることが大切です。今回は「短くうなずいて聞く」ことの効果と、その実践方法について解説します。
よくある失敗例:つい口出ししてしまう場面
子どもが友達をぶってしまったとき、つい「なぜそんなことをしたの?」と理由を急いで聞きたくなりますよね。しかし、子どもが「えーん、だってね…」と話し始めても、「だから、だってじゃダメでしょ!」とすぐに注意を入れてしまいがちです。
この時、「お友達をぶってはいけない」というメッセージを伝えたい気持ちは理解できますが、話を遮ってしまうと、子どもは「先生は話を聞いてくれないんだ」と感じてしまうことが多いんです。
結論をズバッと伝える「アンサーファースト」はビジネスでは有効ですが、子どもたちには納得のためのプロセスが必要です。彼らが「どうして?」を理解する前に一方的に結論を伝えてしまうと、「ただ叱られた」という印象だけが残り、信頼関係が築きにくくなります。
園児と信頼関係を築くために「短くうなずく」ことが効果的
子どもが話し始めた時は、まずは口出しをせず、「短くうなずきながら聞く」ことを意識してみましょう。具体的には、「うんうん」「そうなんだね」と穏やかに短くうなずくことで、しっかりと聞いているサインを送ります。ポイントは、相手の話に集中し、表情を変えずに聞き続けること。「聞いてますよ!」と大げさにうなずく必要はなく、むしろそっと自然にうなずくことで安心感を与えることが重要です。
子どもに安心感を与える効果
園児たちは、自分の気持ちを表現することにまだ不慣れです。だからこそ、話を遮らずに短くうなずいて聞き続けてくれる保育士さんには心を開きやすくなります。「うんうん」と穏やかにうなずくことで、子どもたちは「自分の話をちゃんと聞いてもらえている」と感じ、話すことへの安心感を覚えるのです。
なぜ「口出しせずに聞く」ことが大切なのか
心を開いてもらうには、話の途中で口出しをせずに聞くことが肝心です。大人と違い、園児たちは「自分のペースで話したい」と感じていることが多く、話に割り込まれると「ちゃんと聞いてもらえていない」と思ってしまうことがあります。園児にとって話しやすい空間を作るために、「聞き役」に徹し、あいづちや短いうなずきを続けることが信頼関係を深める第一歩です。
超傾聴力その2⇒短い質問を繰り返して相手が「ちゃんと聞いてくれている」という印象を与えましょう
園児との関わりで「短くうなずいて話を聞く」ことが大切だとお話ししましたが、ずっとそのままうなずき続ければ良いというわけではありません。子どもたちが安心して話せる関係を築くには、タイミングよく「短い質問」を挟むことも必要です。
ずっと聞き役では不安にさせてしまうことも
例えば、園児が3〜5分ほど話し続けると、「先生、本当に話を聞いてくれているのかな?」と不安に感じる時があります。そんな時こそ、「それはどういうことなの?」や「どうしてそう思ったの?」と、短い質問を入れることで、子どもが「先生は本当に自分の話に興味を持ってくれているんだ!」と感じることができるのです。
質問は「短く・分かりやすく」がポイント!
「園児だから短く質問する」のではなく、「心を開いてもらうため」に質問はシンプルにすることが重要です。質問が長すぎたり複雑すぎたりすると、「何が聞きたいの?」と子どもが混乱してしまいます。保育士も、話が長すぎると「結局何が言いたいの?」と感じることがあるでしょう。それと同じで、園児にとっても質問は「分かりやすく」「短く」してあげることが信頼関係を築くためのコツです。
言葉の理解が発展段階の園児には「質問のシンプルさ」が大切
保育園や幼稚園にいる園児たちは、まだ言語や論理的な理解力が発達途中です。だからこそ、保育士・幼稚園教諭の方は、難しい質問を避け、園児が「わかりやすく」感じられるようなシンプルな質問をすることが求められます。こうすることで、園児は「先生は自分の話をしっかり聞いてくれている」と感じ、さらに話しやすい環境が生まれるのです。
第一段階は「うんうん」とうなずいて聞き役に徹すること
まずは、園児が話し始めたら、とにかく聞くことに集中し、相手のペースを乱さず「うんうん」と短くうなずきましょう。こうすることで、園児は「先生は自分の話を聞いてくれているんだ」と安心します。その上で、時折、短くシンプルな質問を挟むことで、子どもたちはさらに話しやすくなります。
承認欲求と不安のバランス
おしゃべりが好きな園児もたくさんいますが、どんなにおしゃべりでも、人はずっと一人で話し続けると「ちゃんと聞いてもらえているかな?」と不安を感じるものです。短い質問をタイミングよく入れることで、園児は「先生はしっかりと自分に関心を持ってくれている」と感じられ、話しやすくなるのです。
超傾聴力その3⇒相手が話した内容を、短くまとめて相手に確認をとる
園児が自分の気持ちをたっぷり話してくれたら、最後に「ちゃんとわかってもらえた」と感じてもらうために、短くまとめて確認することが大切です。これが、「心を開いて話してくれた」子どもたちに、しっかり寄り添うための最終ステップです。
ただ感想を伝えるだけでは不十分
子どもが話し終わった後に、「そうなんだね!」や「我慢できなかったんだね!」と保育士の感想を伝えるだけでは、園児たちは「本当に自分の気持ちをわかってもらえたのかな?」と感じてしまうことが多いのです。
例として、友達をぶってしまった子に「言い換えると〇〇が原因で〇〇しちゃって、結局〇〇ちゃんをぶっちゃったんだね」と理屈っぽく要約すると、子どもたちの心の距離はかえって広がりがちです。これは大人相手でも同じで、論理的なまとめ方は一見かっこいいですが、相手の心を開くという意味では逆効果になりかねません。
園児の理解を確認するシンプルな質問が効果的
ここで重要なのは、あくまで園児が話してくれた内容を「確認」することです。
「〇〇ちゃんの話を聞いて、先生は〇〇って思ったけど合ってる?」とシンプルに聞いてみるのが効果的です。
こうすることで、保育士の認識と園児の気持ちが一致しているか確認でき、園児たちは「ちゃんと先生にわかってもらえたんだ」と感じやすくなります。
臨機応変に「うなずき・短い質問・要約確認」を使い分ける
園児たちが話しやすい環境を整えるためには、「短くうなずく」「短い質問」「要約して確認」という3つのテクニックを臨機応変に使うことが大切です。園児はまだ言語や感情表現が未熟なため、話が止まってしまったり、泣いてしまうこともありますが、この3つを活用することで、次第に心を開いてくれるでしょう。
こうして園児が安心して話せる環境を作り、行動変容につなげる
園児が保育士に「ちゃんと話を聞いてもらえている!」と感じられるようになれば、安心してさらに心を開いてくれるようになります。ここまでの信頼関係が築けたら、「それなら次は〇〇しようか!」と行動を変える依頼もスムーズに受け入れてくれるようになります。
大人の世界でも同じ!「ちゃんと話を聞いてほしい」気持ち
転職活動をしている保育士さんが、新しい園の求人を探していると想像してみてください。「前の園を辞めた理由」や「次に求める条件」があるにも関わらず、相手が「うちの園においでよ!」や「ここが良いんじゃない?」と一方的に勧めてきたら、心を開いて話し続けたいと思えませんよね。園児たちも同じで、「話を聞いてもらえた」と感じることが信頼の基礎です。
この「傾聴力のテクニック」を活用して、園児や保護者との信頼関係を深め、楽しい保育ライフを送りましょう。園児たちが心を開いて話せることで、保育がさらに充実し、保育士としての毎日がもっと楽しいものになりますよ!
傾聴力を実践しても上手くいかない時、転職も選択肢の一つ
保育士として園児たちと良好な信頼関係を築くためには、「傾聴力」を活かした関わりがとても大切です。しかし、いくら傾聴のテクニックを意識して実践しても、関係づくりがうまくいかないと感じる場面があるかもしれません。その場合、無理をして頑張り続けるよりも、新しい環境で働くことを視野に入れるのも一つの方法です。転職は保育士としての成長や充実感を高めるための重要な選択肢の一つです。
傾聴を実践しても解決できない悩みがある場合
保育の現場で傾聴を実践することで、園児たちは安心して話せるようになり、信頼関係が深まるきっかけが生まれます。しかし、職場の方針や働く環境が自分と合わないと感じたり、業務が多忙で思うように保育ができないと悩んでいる場合、その違和感が積み重なって自分の心の中で葛藤が生まれてしまうこともあります。
こうした悩みを抱えた時には、「本当にこの園で自分が理想とする保育ができているのか」を見つめ直すことが大切です。
環境が合わないことで感じるストレスとやりがいの低下
例えば、園児としっかり向き合いたいと思っているのに、日々の業務に追われて十分な時間をかけられないと感じることや、園の保育方針が自分の保育観と大きく異なると感じることは少なくありません。園児たちに寄り添い、一人ひとりの成長をじっくり見守りたいという思いがあるのに、それが叶いにくい環境で働き続けることで、やりがいや達成感が低下し、ストレスが蓄積することもあります。
転職で自分に合った園を見つける可能性を広げる
転職を視野に入れることで、自分の理想とする保育や価値観にマッチする職場を見つけられる可能性が高まります。新しい環境であれば、自分の強みやスキルがより活かされ、園児や保護者との信頼関係も築きやすいと感じる場面があるかもしれません。
特に、保育士として長く働き続けたいと考えている方にとっては、心身の負担が少なく、自分の目指す保育ができる環境を見つけることが、キャリアを長く充実したものにするための重要なポイントです。
自分がやりたい保育を追求するための転職も一つの手段
もちろん、今の園で働き続けることも一つの素晴らしい選択です。しかし、「自分が本当にやりたい保育」を追求するために転職もまた一歩です。現在の環境で「自分の保育が実現できない」と感じた時には、次のキャリアステップとして自分に合った園を見つけるために転職活動を考えてみましょう。新しい環境で理想の保育が叶うかもしれません。ぜひそんなときは保育士求人JOBSにご相談ください。